ヴェローナ戦において、ゴールへの飽くなき貪欲さと彼らしい闘志あふれるプレースタイルで幾度となくチャンスメイクをし、ゴールも決めてアリアンツスタジアムで圧倒的存在感を示したドゥシャン・ヴラホヴィッチ。セルビア代表FWがわずか13分で決めた先制弾は、新天地のサポーターへのあいさつ代わりとなった。
相手のゴールキックのこぼれ球を拾ったパウロ・ディバラからパスを受けると、ヴェローナGKロレンツォ・モンティポとの1対1を迎えたヴラホヴィッチ。すると、まるで真珠のような唯一無二の美しいループシュートを繰り出した。約7000万ユーロ(約92億円)の移籍金で加入した元フィオレンティーナFWにとって、ユヴェントスにおけるセリエA初ゴールだった。
ユヴェントスデビュー戦でC・ロナウドを上回る出来
トリノでは、ヴラホヴィッチのイニシャルと背番号を組み合わせた“DV7”がトレンドとなりつつある。今シーズン開幕直後まで“CR7”こと、クリスティアーノ・ロナウドが背負っていた7番について、「背番号は重要ではない。ピッチで何ができるかが大切なんだ。9番が空いていなかったので、一番近い番号を選んだだけだ」と入団会見で話したドゥシャン。だがポルトガル代表FWとの比較は避けられそうもない。
移籍金の金額や補強の価値、さらにはシーズンの行方への影響力など、ユヴェントスの新旧エースストライカーを巡る議論は、長らく続くに違いない。
だが、ユヴェントスにおけるセリエAデビュー戦に限れば、ドゥシャン・ヴラホヴィッチはすでに、クリスティアーノ・ロナウドを上回る結果を残した。ポルトガル代表FWが4戦目にしてようやく初ゴールを決めたのに対し、セルビア代表FWはデビュー戦でいきなり得点を挙げることに成功している。
初得点に13分間を要したヴラホヴィッチに対し、C・ロナウドは344分間。だがゴンサロ・イグアインに至っては、さらに早いわずか9分間で初ゴールを決めている。
ディバラ&モラタと組む強力なトリデンテ
ヴェローナ戦では、ケガ人や出場停止もあり、アッレグリは強力な手段をとった。ヴラホヴィッチの両脇に、ディバラとアルバロ・モラタを配置したのだ。
一見、ヨーロッパ最強レベルのトリデンテであるように見えるが、問題も見え隠れしていた。アッレグリの言葉通り、チームの“バランス”を保つためには、スペイン人選手とアルゼンチン人選手が相当な負担を負わなければならないからだ。
限られた試合においては成功を収めることができるかもしれないが、長期を見据えた場合、それも、より強力なチームが相手となると、すべてが未知数になる。
それでも、ヴラホヴィッチ、モラタそしてディバラの間で良い連携が確認できたことは、今後への好材料と言える。セルビア代表FWは試合終了後、指揮官やディバラらのサポートに感謝の意を示した。
「チームメートやアッレグリに感謝しなければならない。僕を快く受け入れ、ものすごく助けてもらった。この調子を続けていきたい。僕にとって重要なのは、ゴールを挙げることだが、ドリブルやマークの外し方など、あらゆる点から進化していきたい。今日は勝てたことが一番重要だ」
目指すは欧州5大リーグでトップのレヴァンドフスキ
ユヴェントスでの初戦において13分で初ゴールを記録し、華々しいデビューを飾ったヴラホヴィッチ。だが彼は、フィオレンティーナ時代から積み上げてきた仕事をこなしたに過ぎない。
ヴェローナ戦のループシュートで今シーズンのリーグ戦における18得点目をマーク。セルビア人FWは、ヨーロッパ最高峰レベルのストライカーであることを示した。今シーズン、ヨーロッパの5大リーグにおいて、彼よりも多くの得点を挙げているのは、24ゴールのロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)ただ1人だ。
文・マックス・クリスティーナ
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