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【マンチェスター・C対チェルシー展望】優勝に王手のシティか、"三兎"を追うブルーズか | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【マンチェスター・C対チェルシー展望】優勝に王手のシティか、"三兎"を追うブルーズか | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【プレビュー】5月9日1時30分キックオフの第35節マンチェスター・シティ対チェルシーの展望だ。チャンピオンズリーグ決勝の前哨戦であり、シティの優勝が懸かった"ビッグファイト"の注目ポイントを洗い出す。

二兎を追う者は一兎をも得ず、ということわざがある。要約すると、ふたつの目標を同時に追求しようとすると、どちらも取り逃がしてしまう。「無理しなさんな」という意味だ。

いま、チェルシーはCL(チャンピオンズリーグ)、FAカップ、プレミアリーグの4位以内と、3つの目標がある。最終盤を消化試合のみで過ごすクラブも少なくないのだから、非常にぜいたくな悩みだ。

しかし、CLはマンチェスター・シティ、FAカップはレスター。決勝の相手はかなりタフだ。現在4位につけるプレミアリーグも、シティ、レスター、アーセナル、アストンヴィラと、最終4試合は厳しすぎる日程だ。「三兎を追う者は一兎をも得ず」になりかねない。

しかも、目標達成のための第一関門が今週末のシティ戦(プレミアリーグ第35節)とは……。チェルシーのトーマス・トゥヘル監督は、難しいマネジメントを迫られる。

シティが攻めてチェルシーが辛抱する

21日間で6試合。ひとつも負けられない試合が続く。今週末のシティ戦に敗れ、5位ウェストハムがエヴァートン戦で勝利を収めると、ポイントでは並ばれる。

15日のFAカップ決勝、29日のCLファイナルを踏まえ、多少のローテーションを図りたいところだが、シティを相手に大幅なメンバー変更はみずから窮地を招く愚策である。

したがってチェルシーは、レアル・マドリードとのCL準決勝セカンドレグとほぼほぼ同じメンバーでシティ戦に臨み、プレミアリーグ4位以内の望みをつなごうとするのではないだろうか。

シティが攻めてチェルシーが辛抱する──が、試合展開の基本だ。チェルシーは全集中の呼吸で人とボールに集中し、ボールを奪うや否やのカウンター。ボール奪取のポイントは、高ければ高いほどいい。

キープレーヤーは、やはりエンゴロ・カンテだ。マドリーとのCL準決勝は2試合とも的確な状況判断を駆使し、決勝進出の最大功労者となった。彼が守備だけではなく、攻撃に関与する時間が少しでも長くなり、シティのペナルティーボックス付近で仕事が増えれば、チェルシーがリズムを握った証でもある。

カンテが最終ラインに吸収されるような展開になると、それはそれは息苦しい。

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激しいライバル意識が火花を散らす

一方、シティは勝てば2シーズンぶり7回目のリーグ優勝だ。無観客とはいえホームゲームである。次節以降に持ち越すのは、精神衛生上も好ましくはない。一気にカタをつけるのが得策だ。

最終ラインと左ウイングの人選に、パリ・サンジェルマンとのCL準決勝セカンドレグとは若干の変更が予想されるとはいえ、シティもチェルシー同様、大幅なローテーションは用いないだろう。

さて、ラヒーム・スターリングである。近ごろフィル・フォーデンの台頭に押され、スターティング・ラインアップから外れるケースも増えてきた。ジョゼップ・グアルディオラ監督が「全幅の信頼を寄せている」とフォローしているものの、スターリングにすればおもしろくはない。

この、溜まりつつある鬱憤を解放するために、そしてマッチフィットネスを維持するために、グアルディオラ監督がスターリングの名をスターティング・ラインアップに書き込んだとしても不思議ではない。チェルシーより1つ少ないにせよ、シティも21日間で5試合だ。使える戦力はひとりでも多い方がいい。

ましてスターリングは、0-1で敗れたチェルシーとのFAカップ準決勝でチャンスすら創れなかった。当然、モチベーションは刺激され、クラブ内のヒエラルキーを挽回すべく、万全を期して週末のビッグファイトに挑むはずだ。

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グアルディオラ監督が着任した15-16シーズン以降、チェルシーとの公式戦は8勝1分6敗。非常に拮抗している。おそらく今回も、ピッチ上の随所に激しいライバル意識が火花を散らす。

しかし、シティはチェルシーに比べるとプレッシャーが軽い。プレミアリーグの優勝が確定的で、すでにリーグカップも取っている。対するチェルシーは、前述したように「三兎を追う者は一兎をも得ず」の状況だ。

このシチュエーションが勝負の分かれ目だ。シティ完勝も考えられる。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

プレミアリーグ 試合日程

第35節

5/8(土)20:30 リーズ vs トッテナム

前節はガレス・ベイルがハットトリック達成と圧巻のパフォーマンスを見せ、シェフィールド・Uに4-0と大勝した6位トッテナム。これでライアン・メイソン暫定監督に交代後は2連勝となり、欧州カップ戦の出場権獲得へここからさらに勝ち点を積み重ねたい。

5/9(日)1:30 マンチェスター・C vs チェルシー

この試合に勝利すれば、その瞬間に2季ぶり7回目のリーグ制覇が決まるシティ。ホームでライバルを破っての優勝は最高のシナリオだが、チェルシーもUCL出場権争いの真っただ中におり、またBIG6のプライドに賭けても目の前で歓喜の輪を作らせるわけにはいかない。

5/9(日)4:15 リヴァプール vs サウサンプトン

サウサンプトンの南野拓実が、保有元のリヴァプールと対決。冬の移籍でセインツ加入後は7試合で2得点と結果を残しているものの、現時点で来季のレッズ復帰は不透明な状況となっており、久々のアンフィールドはユルゲン・クロップ監督にアピールする絶好機だ。

5/9(日)22:05 アストンヴィラ vs マンチェスター・U

前節はリヴァプールとのビッグマッチを戦う予定だったユナイテッドだが、サポーターが大規模な抗議活動を展開して試合は延期に。オーナー一家の横暴に怒りを爆発させるファンの溜飲を下げるためにも、目の前の試合を着実に勝利していきたい。

5/10(月)3:00 アーセナル vs WBA

前節のニューカッスル戦で今季10ゴール目を挙げ、これでサンテティエンヌ(リーグアン)時代から数えて10シーズン連続のリーグ戦2桁得点となったピエール=エメリク・オーバメヤン。相棒のアレクサンドル・ラカゼットが今週にも戦列復帰の見通しで、2人のアベック弾に期待したい。

開催日キックオフ
(日本時間)
試合
5/8(土)4:00レスター vs ニューカッスル
5/8(土)20:30リーズ vs トッテナム
5/8(土)23:00シェフィールド・U vs クリスタルパレス
5/9(日)1:30マンチェスター・シティ vs チェルシー
5/9(日)4:15リヴァプール vs サウサンプトン
5/9(日)20:00ウォルヴァーハンプトン vs ブライトン
5/9(日)22:05アストンヴィラ vs マンチェスター・U
5/10(月)0:30ウェストハム vs エヴァートン
5/10(月)3:00アーセナル vs ウェストブロム
5/11(火)4:00フラム vs バーンリー

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