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【コラム】プレミアリーグ最終節の愉しみ方。三つ巴のチャンピオンズリーグ出場権争いを制するのは?| 粕谷秀樹のNOT忖度

【コラム】プレミアリーグ最終節の愉しみ方。三つ巴のチャンピオンズリーグ出場権争いを制するのは?| 粕谷秀樹のNOT忖度(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】2020-21シーズンのプレミアリーグがいよいよ最終節を迎える。チェルシー、リヴァプール、レスターの三つ巴になっているCL(チャンピオンズリーグ)出場権争いに注目だ。

基本的には高みの見物だ――。

マンチェスター・シティと12ポイント差の2位は悔しいが、チャンピオンズリーグ(CL)出場権はすでに得ている。最終節はノンビリと、グラス片手に楽しむとするか。5月23日21時以降の予定は、『ドラゴン桜』→『有吉ぃぃeeeee!』→『プレミアリーグ深堀り解説』、そして24日0時キックオフの『プレミアリーグ最終節』である。

そうだ、26日(日本時間27日4時)にはヨーロッパリーグ(EL)決勝も控えているじゃないか。マンチェスター・ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督に告ぐ。

「ブルーノ・フェルナンデス、ポール・ポグバ、ルーク・ショー、アーロン・ワン=ビサカ、そしてメイソン・グリーンウッドとエディンソン・カバーニに無理させるでないぞ。プレミアリーグ最終節は休んだっていい」

「あっ、アントニー・マルシャルが使えるのなら、一度試しておくれやす」

さて、最終節のお楽しみはアーセナル対ブライトンの審判団だ。主審:ジョナサン・モス、VAR担当:サイモン・フーパー。嗚呼、シーズンのフィナーレだというのに……。

チェルシーにとっては不都合な環境が

冗談はさておき、最終節の興味はCLの出場権争いに尽きる。

  • 【3位】チェルシー:勝点67
  • 【4位】リヴァプール:勝点66
  • 【5位】レスター:勝点66

3チームが勝点差1でひしめき合い、4位と5位の得失点差もわずかに4。未曽有の大混戦になった。

各クラブが勝ち抜ける条件に触れていると文字数の制限が迫りくる。四の五の言わずに勝てばいいのである。ハーススペースがどうの、ファイブレーンがこうのではなく、素手ゴロ・タイマン上等の心意気を全面に出せばいい。

勝点で最も有利なチェルシーが「引き分けでも」とか消極的に考えていると、足をすくわれる。対戦相手はMFジャック・グリーリッシュの復帰で攻撃が再び活性化したアストンヴィラだ。トーマス・トゥヘル監督就任後、プレミアリーグ18試合で11回のクリーンシートを記録したチェルシーも、少なからぬピンチを迎えるに違いない。

しかもアストンヴィラのホームで、有観客試合。チェルシーにとって、不都合な環境が整えられつつある。

リヴァプールはホームでクリスタルパレスを迎撃する。本拠アンフィールドにサポーターの歓声が戻ってくるのだから心強い。ユルゲン・クロップ監督も負傷者の続出とともに、サポーター不在を不振の要因に挙げるほどだ。

それにしても土壇場の粘りは目を見張る。リヴァプールは34節からの4連勝で、一気にCL出場権争いに割って入った。36節のウェストブロム戦でGKアリソンが後半の追加タイムに決めたヘッダーは、プレミアリーグの歴史に刻まれるインパクト特大の一撃だった。

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リヴァプールは勢いに乗っている。

しかし、クリスタルパレスには「ロイ・ホジソン監督の最終戦を是が非でも勝利で」というモチベーションがある。今シーズン限りで現場から退く歴戦の勇士に対し、クロップ監督も常日ごろから最大級の敬意を払ってきた。このリスペクトが、優しい心が、選手たちに伝搬しなければいいのだが……。

「新しい歴史を創った」レスター

レスターの最終節は、トッテナムとのホームゲームだ。CL出場権を争う2チームに比べると、最も難しい相手との試合かもしれない。トッテナムも勝てばEL出場権獲得、敗れると無駄な1年――。闘いの大義はある。

ただ、ハリー・ケインが退団の意向を明らかにした。ケイン不在のチームに、優れた監督、選手がやって来る可能性は小さい。ソン・フンミンとウーゴ・ロリスもクラブを離れる公算が大きくなってきた。サイクルの終焉を意味しているかのようだ。

したがってレスター有利。得失点差の不利をカバーする大量点も、と派手に予想したいところだが、FAカップ決勝で足首を痛めたジョニー・エヴァンズはベンチにすら入れそうもない。

ブレンダン・ロジャーズ監督は現地21日の時点で、痛みが引かないエヴァンズを除いたメンバーで闘う覚悟を決めたという。膝を痛めているジェイムズ・ジャスティンもまだ起用できる段階ではない。センターバックはウェズレイ・フォファナ、チャーラル・ソユンジュ、ティモシー・カスターニュのなかから選ばざるをえない。

やり繰り上手として知られるロジャーズ監督は、どのような布陣で臨むだろうか。3バックか、あるいは4バックか。世界水準のアンカーで、メガクラブのレーダーにも捉えられ始めたウィルフレッド・エンディディを1列下げるプランも考えられる。

それにしてもレスターは、昨シーズンもレギュラーDFの相次ぐ故障により、ほぼ手中に収めていたCL出場権を失った。すでにFAカップを制した今シーズンは「新しい歴史を創った」(ロジャーズ監督)とはいえ、やはりトップ4も手にしたい “タイトル” のひとつである。

昨シーズンに続いてビッグ6の牙城を崩したレスターが、世界最高峰のリーグで4位以内に入るのか。またしてもあと一歩のところで涙を呑むのか。

最終節の主役は、かつて岡崎慎司が所属し、FAカップ決勝でオーナーと監督、選手の信頼関係を満天下に知らしめ、「本来、フットボールがあるべき姿」と各方面で絶賛されたレスターである。

leicester fa cup

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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