今回議題に挙がったのは、J1第24節柏対川崎Fの61分の場面だ。
川崎Fが自陣でクリアしたこぼれ球にまず、素早くスプリントしたFW旗手怜央が反応する。柏のDF上島拓巳も同じく、そのボールに反応していたが、わずかに旗手の方が先にボールを触って、二人は激しく衝突。しかし川崎Fのマイボールとなっていたため主審は上島のファウルと認識しながらもプレーの続行を促していたが、その直後に笛を鳴らして上島に対してイエローカードを提示。すでに1枚目のイエローカードをもらっていた上島は、この場面で2枚目の警告を受けて退場となっている。
川崎Fのアドバンテージを適用しながらもなぜイエローカードは提示されたのか。このファウルがラフプレーとSPA(攻撃機会の阻止)のどちらに該当するかによって警告の提示条件が変わる。SPAに該当した場合は、プレーを流した場合にイエローカードの提示ができない。一方でラフプレーに該当した場合は、警告が消えることがないためプレーを中断した際にイエローカードが提示できる。
では、なぜ一度流したものの、その直後にアドバンテージを止めたのか。その理由を審判員ゲストの廣嶋禎数氏は、こう説明している。
「このまま続けさせてしまうと、そのプレーが切れるまでに本来なら退場する選手が得点してしまう可能性が生まれてしまう。あるいはもう一度警告に値する行為によって3枚目のイエローカードというあり得ないことが起こってしまう。このケースでラフプレーという判断であれば、必ず止めて2枚目のイエローで退場にするのが正しい判断」と強調。
すでに上島が1枚イエローカードを提示されていたことに直後に気づいたため、川崎Fの攻撃機会が続いていたものの、すぐにプレーを止める判断に至った。
今回のようなケースでは、試合の流れを壊さないために主審には、瞬時に、そして適切な判断力が求められる。サポーター目線で言えば、「単純に攻撃方向にボールがいっているから『アドバンテージでしょ』と思ってしまいがちだけど、そこにカードが絡んでくるとかなり難しいですね」と見解を述べる平畠氏。ジャッジの意図まで理解することで今後のサッカー観戦の見方も変わっていきそうだ。
Jリーグジャッジリプレイ
- 配信:DAZN
- 配信日:毎週火曜日
- MC:桑原学
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