磐田の攻撃シーンだ。自陣でのボール回しからチャンスをうかがうと、最終ラインでパスを受けたDF森岡陸からDF伊藤槙人へ。ここから一気に前線に送ると、走り込んだ杉本健勇に対してペナルティーエリアの外で上福元がファウル。主審はこのプレーに対し、一度はイエローカードを提示したものの、VARが介入してオン・フィールド・レビューを行った結果、決定的な得点機会の阻止、いわゆる“DOGSO”に当たるかを確認してジャッジが変更されレッドカードに変わった。この判定が妥当だったかを議論した。
まず、この議論に入る前にオフサイドはなかったかについて検証。オフサイドラインを引いた画像を見つつ、家本氏は個人でも検証したと語り、「(明らかなオフサイドとは)言い切れない」と返答した。
仮にオンサイドだったという前提で今回の問題のシーンに話が及ぶと、平畠氏は「ゴールまでの距離はシュートを狙える距離だと思うし、相手守備者も京都の選手が戻り切れていないのでそこも満たしている。コントロールもできている」と主張。続けて、「あとは方向ですよね。杉本選手の向かっている方向がそんなに角度がない感じもする。打てたかと考えると(果たして)DOGSOになるのか」と語りつつ、DOGSOなら「75%くらいレッドカードだという気はする」と自身の見解を述べた。
続いて原氏は「DOGSOになってしまうだろうね」と回答。「確かに角度は外に行っているけど、上福元があの当たり方をしなければもっといい方向に行っていると思う。GKがあそこで倒すとDOGSOになってしまうと思う」と続けた。
2人の答えを待って、最後に考えを口にした家本氏は「GKのチャレンジの仕方、もう少しボールに行くような素振りや対応と言いますか、あそこで終わってしまうので反則と強く見えてしまう」と主張。また、DOGSOかについては、平畠氏も疑問を呈した“方向”について詳しく解説しながら今回の件について見解を語った。
「かつてはコンタクトの瞬間がゴールの方向に向かっているか、外に向かっているかで判断していたが、今は全体的な流れ。ゴール方向に向かうようなボールであるという話と、磐田のFWの選手も中から外に行くけど、膨らみながら縦に行くのでゴールの方に行くように見える。なので、全体感としてアタッカーはボールに対するチャレンジをゴール方向に向かっていると判断できる。そのため4要件を当てはまるのでDOGSOとしてレッドカード。競技規則としても、VARの助言としても正しいフォローだったかなと理解しています」
最後に家本氏は「なかなかこれを現場で一発でレッドカードと出せるレフェリーがどれくらいいるかなと考えたときに、そんなにいないかなという感じですね」と語り、非常に難しい判定だったと口にしている。
今年も様々な事象を取り上げていく「Jリーグジャッジリプレイ」。今後もどんなシーンがピックアップされるか注目だ。
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