【補強の真相】横浜FC・服部GMが語る３つの補強ポイント「得点・経験・スタイル」｜Jリーグ

三つの補強ポイント

ーー改めて昨シーズンをどのように振り返っていますか？

クラブとして標榜しているフットボールスタイルが“攻守に主導権を握るアグレッシブなフットボール”というところなので、そういった部分では下平（隆宏）監督の下でチャレンジできた1年だったと思います。

当然、ボールを握る時間を大切にして相手を動かしながらゴールに迫るという点ではできたところもありますし、逆にまだまだ課題もあります。決定機を多く作りながらも決め切れない得点のところは課題です。

昨季は降格がないということでハイプレスだったり3バックだったりと、いろいろオプションに対してもチャレンジしていました。

その時に少し大量失点があったりなど、そういった部分での戦術的な、チャレンジに置いての結果のところは改善すべきポイントかなと思っています。単純にやはり得点が少ないこと、失点が多いことは真摯に受け止めているような状況です。

ーー今季の補強ポイントについて教えてください。

やはりゴールを決めなければ勝つことはできません。

もちろん引き分けも重要ですし、負けないことも大事ですが、ゴールを決めることで勝つ確率を上げていくところでは、やはり得点を取れる選手。昨シーズンもFW斉藤（光毅）やFW一美（和成）、FW瀬沼（優司）やFW皆川（佑介）、FW草野（侑己）と、比較的若い選手たちでやってきました。

今回はその点で、決定力を高めたり、いわゆるゴール前でのチャンスを多くするところで、得点機会を増やせるような選手を獲得していきたいというのがまず一つ目でした。

二つ目は経験のある選手を少し獲得して、ゲームの中で起きている現象を理解してアウトプットできるような選手たちを増やしていきたいと。監督のやりたいサッカーと現実的に起きているサッカーの中で何をしなければいけないのかを示せるような選手というのを獲得できればと思いました。

三つ目は当然ながらクラブのフットボールスタイル、いま下平が進めていくサッカーをより具現化できるような選手を獲得し、昨シーズンよりもプラスになるようなイメージで補強を考えました。

ーー服部GMにとって補強を進めて行く上で大事なこととは何ですか？

一番大事なことは我々がどうなりたいかを明確にし、そこの基準から外れないこと、またはどういうサッカーをしたいかというフットボール面もありますけど、クラブとしてどういうクラブになっていきたいか。

既存の中で我々が持っていないものが何なのかをしっかりと検証し、明確にして、キャラクターだったりプレーの特徴だったり、そういった部分をしっかり補完することが契約の中で必要なところですね。

プラスマイナスがある中でプラスにしていくこと、あとは必要以上にプラスを求めるよりもマイナスにしないことだったり、限られた予算の中で我々の目指すものに対してそれを具現化できるようにする。

それはクラブとしてもそうですし、現場の理解も十分に受けた中で納得してやっていくことが大事です。選手たちが納得できる競争の中で勝負できる環境を作り、それを最後まで維持できるようサポートをみんなでしていくことが重要だと思います。

ーー期待している新加入選手は誰になりますか？

全員ですね。全員に期待しています。また、我々は下平になってこのスタイルを標榜しながら進めていますけども、みんなが成長していると思います。

昨シーズンもMF松尾（佑介）やMF安永（玲央）のような若い選手が活躍しましたし、ベテランの選手もどんどんチャンスをものにすると思います。

いまは30代前半と言ってもバリバリの選手たちだと思いますし、彼らが今までの経験も含めて我々横浜のサッカーを経験したいと、非常に面白いサッカーをするという評価を頂きながら来てもらっているので、そういった選手たちがいかに上手く融合するかが重要かと思います。

本当に誰がレギュラーになるのか。これからシーズンを進めて行く中で変わっていくと思いますので、そういったところは全選手楽しみにしてます。

ーー攻撃陣を多く獲得していますが、どういうプレーをしてほしいですか？

昨季は前線で敵陣に進入してはいるけど、奪われてしまってカウンターを受けるような場面がありました。

そういった攻撃の中でやるべきこと、やらないといけないことを明確にしていき、またゴールに向かう姿勢だったりというところをいろいろなパターンで持っていることが重要だと思っています。

もちろんFWクレーベ選手は高さや強さがありますし、FW渡邉（千真）選手は運動量もあって前から守備もできます。

FW伊藤翔選手は背後への飛び出しからの決定力、FWジャーメイン（良）選手はスピード、FW小川（慶治朗）選手もインテンシティの高いプレー、それぞれ個性もあります。

また、もともといる選手たちもそれぞれ特徴があると思っていますので、いろいろなバリエーションが増えてくれればなと思っています。

「中村俊輔はまだまだ力を発揮できる」

ーー今季獲得した選手の中で、MF高橋秀人選手について期待することを教えてください。

高橋秀人選手はボランチを中心に考えています。

ボランチに関しては昨年、20代前半の選手、または10代の選手がやっていました。その中で、新しくゲームをコントロールできたりいま起きていることをしっかりと理解し、チームとして何を理解すべきかを発信できるような選手だと思っています。そういった部分ではチームの試合の時もそうですけど、練習も含めていろいろなアイディアを出していける選手なのかなと。

どちらかというと若い選手は監督から言われているとことをしなければいけない、当然当たり前のことなんですけども、それプラスアルファどう考えるべきなのかなど、プロサッカー選手としてもそうですし、試合に出ている中でどうすべきなのかをもともといるベテラン選手と共に若手に伝えていってもらえることを期待しています。

ーー今季、柱になってほしい選手はいますか？

本当に新しい選手も昨年からいる選手も、自分自身も誰が引っ張っていってくれるか楽しみですし、それぞれの選手と契約交渉の中で話をしていても、自分に期待してほしいと話をしてくれています。

みんなが勝負の年だとそれぞれ話をしてくれているので、新しい横浜FCの時代を築いていってくれる選手を僕自身が楽しみにしています。

ーー一方で、もう少し頑張ってほしい選手は？

MF中村俊輔選手はまだまだ力を発揮できると思います。もちろんピッチ内外両面ですけど、新しく彼に与えられている役割があると思いますので、俊輔なんかにはそういった今までの自分とは違う役割を担ってもらえるような選手としてプレーも頑張ってほしいです。

ーー今季、大幅な選手の入れ替えがあったことに関してはどう感じていますか？

我々クラブとしては、チャレンジして成長して次のステップに行くと。みんな本当に昨年はチャレンジして次のステップアップに行く、または新しいチャレンジの場を求めた選手もいます。

今回来てくれた選手たちも、そういった意味でこの横浜FCのサッカーをチャレンジしたい、横浜FCでもう一度輝きを取り戻したいなど横浜FCをステップにさらに高みを目指したい選手たちが集まってくれています。

そういった意味ではこのクラブで昨年からやってきたもの、主導権を握って進めるサッカーというのを本当に現場とフロントと共に追及をし、新しい選手と共にやっていければと思います。

ーー最後になりますが、今シーズンどんなサッカーを見せてくれますか？

アグレッシブに攻守に主導権を握ってプレーするサッカーを引き続きやっていきたいです。しっかりボールを握りながら相手の陣形を崩し、そこにダイナミックに入っていく。

今年に関してはそこから多くのチャンスを作って得点を生みたいです。昨年、我々は14試合で先制したんですけど、勝てなかった試合が半分あります。

逆に言えば最終戦は2点取って、1点取られてから3点目を奪うことができた。

それは昨年の大きな成果で、最終的にそういったゲームができたことは凄く大きかった。先制もしくは2点取ったところから守るのではなく、やはり3点目、4点目を取るようなアグレッシブなサッカーをして最終的に勝ちをつかんでいく。

もちろん時には守ることもありますが、そういった意味ではしっかり主導権を握っていけるようなサッカーをしていきたいと思います。

提供・『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』

DAZNにて配信されているサッカー番組『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』。メインMCにナインティナインの矢部浩之さん、アシスタントに黒木ひかりさんが、豪華ゲストを迎えて、毎週日曜日23時から旬なサッカー情報をお届けする。

「補強の真相」

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