1シーズンの時を違えて、似た道を歩み始めたクラブの対戦。ただ、このシーズン序盤の歩みはここまで大きく異なっていた。
ホームのFC東京は、アルベル監督体制への転換一年目でスタイルの浸透に苦労しつつも、ここまで4勝2敗と勝ち星が先行。結果を出しつつ、選手間の目線も徐々に揃ってきつつある。対するアウェイの浦和は、スタイル浸透が進み内容には手ごたえを得つつも、いまひとつ結果がついてこない。2勝3分4敗と、スタートダッシュに失敗してなかなかエンジンがかかってこない状況だ。
試合はまず、お互いの目指すスタイルとは裏腹に速い攻撃の応酬となった。開始2分にはMF小泉佳穂が対面のDF渡邊凌磨にアタック。すぐさまFW江坂任へとつなぎ、FWキャスパー・ユンカーへとラストパスを送るが、これはDF長友佑都が間一髪クリア。5分にはFW永井謙佑が小泉を振り切ると、ペナルティーエリア内の渡邊へとパス。渡邊が振り向きざまにシュートを放つが、GK西川周作にセーブされる。
その後もFC東京は早めにワイドの選手や前線にパスをつけ、浦和も右SB酒井宏樹を走らせるなど速攻の応酬に。しかし徐々に、FC東京のプレスに慣れてきた浦和がボールを保持。MF岩尾憲やMF柴戸海が最終ラインに下りるなど、ビルドアップの枚数を調節しながら。FC東京を押し込んでいった。
FC東京も「中央で数的有利を作ろうとする意図を持っていたので、そこに対応するためにダブルボランチ気味に守備をした」（アルベル監督）と対応。守備のギャップを狙う小泉や江坂にそこまで自由は与えなかったが、「中盤の中央での守備の安定性を保持するために、いつもより前がかりにプレスに行けない形になり、少し相手にボールを譲ってしまったところがあった」と、受け身に回る形となってしまった。
お互いにチャンスはあったものの、スタイルの転換＆浸透中の苦労ゆえか、そこまで決定的なシーンは作れず。浦和最大のチャンスは前半42分、MF明本考浩、江坂とつながり、江坂がマークを引き付けてユンカーへとラストパス。しかしこのシュートはうまくミートせずに枠を逸れた。
FC東京も62分、コーナーキックのこぼれ球を永井がおしこもうとするがGK西川が足でブロック。83分にはアダイウトンがエリア外からループ気味のミドルシュートを放つが、西川が頭上を超えそうなボールを逆手でセーブ。お互い決め手を欠いてのスコアレスドロー決着となった。
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