現地でも大きな波紋を呼んだシーンだ。
アストン・ヴィラの攻撃シーン。左サイドからクロスにファーサイドでDFマシュー・キャッシュが頭で折り返すが、これをレスター守護神のカスパー・シュマイケルが一度は右手でセーブするが、こぼれ球をアストン・ヴィラのFWジェイコブ・ラムジーが詰めてゴールイン。しかしリプレイ映像で確認すると、シュマイケルが相手のシュートよりもわずか先に右手でボールを抑えており、オンフィールドレビューで得点は取り消しとなった。
今回のジャッジは妥当だったのか。昨季限りで現役を引退した秋元陽太氏は、ノーファウルを主張。自身の経験も踏まえた上で「僕はあのようなときに(ファウルを)取ってもらえなかった。(その時は)手も蹴られましたけど、ノーファウルでした」と意見を述べる。
一方で元なでしこジャパンの海堀あゆみ氏は、「はじめはゴールだと思っていました」と言及した上で、「これをやるにあたってルールを見てみたときにボールを押さえていれば保持となるということを現役のときは理解していなかったんですが、それを理解した上ではこの取り消しは正しかったと思う」と意見が分かれた。
改めてGKがボールを保持しているとみなされるのは、以下のようなケースに該当する場合となる。
(1)ボールがGKの両手で持たれているとき
(2)ボールが手と他のもの(グラウンドや自分の体など)との間にあるとき
(3)ボールに手や腕のいずれかの部分で触れているとき
※ただしボールがGKから跳ね返った場合やセーブした場合は除く。
これらの現行ルールを踏まえた上で元国際副審でもある廣嶋禎数氏は、「キーパーが先に押さえているボールに対してプレーはできないので、得点が取り消されたのは正しかった」と主張。またGKが手で扱えるボールに対してフィールドプレイヤーが足でいく危険性をレフェリーは「常に考えておくべきだ」と強調している。
サッカーで唯一手を扱えるGKにとって、今回のような場面は当たりどころが悪ければ大きな怪我に繋がりかねない危険とも隣り合わせな中でプレーにおける決断が迫られる。その上で原博実氏は、「ゴールキーパーはギリギリのところで生きている。あのようなときも怖いという気持ちと”いける”という勇気も両方持っていなければいけない」と言及し、特殊なポジションの難しさも語っている。
海外サッカーを題材に新たな発見を提供してくれる『ワールドサッカージャッジリプレイ』に今後も注目だ。
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