キックオフからわずか10分でレアケースなプレーが起こった。モンテディオ山形が自陣ゴール前でボールを回す流れの中で半田陸のバックパスが無人のゴールマウスに向かう。これを懸命に戻ったGK後藤雅明が手を使ってかき出すとホイッスル。ファジアーノ岡山に間接FKが与えられた上、GK後藤にはレッドカードが提示され一発退場となった。
このシーンで問題視されているのは、岡山に間接FKが与えられたことではなく、手でバックパスを処理したGK後藤にレッドカードが出されたこと。審判ゲストの深野悦子氏は「今回のレッドカードはルール上間違いになります」と認め、「味方競技者から意図的に戻されたボールをGKが手で触れる行為は間接FKで罰せられると競技規則に書かれています。まさにこのシーンがそうであり、意図的に戻されたボールに対して手でプレーしたことになるので間接FKに当てはまる条項になります。ただ、懲戒の罰則にはなりません」と現行のルールを説明した。
しかし、ここで疑問として浮かぶのは、ただ単にバックパスを手で処理したのではなく、ゴールに入りそうなボールを手で処理したことでDOGSO(決定的得点機会の阻止)に当てはまるのではないかということ。その意見に関しても深野氏は「ペナルティーエリア内で手の使える唯一の選手がGKであり、GKが手で扱ったら間接FKのみで明らかな得点機会をGKが手を使って阻止した場合でもDOGSOの適用外になります」と繰り返し説明した。
ここでさらなる疑問として挙げられたのが、二人の副審と第四審から指摘する声がなかったのかどうか。「プレー再開までに判定が変わらなかったということは誰も間違いに気が付かなかったのかなと思います」と深野氏は見解を述べ、原博実氏は「この事象はなかなかないこと。普通に見れば、DOGSOよりも酷く、普通には起きないことが起こってしまったからパニック状態になってしまったとしか考えられないよね」と慮った。
なお、Jリーグは『担当審判員による明らかな競技規則の適用ミスがあり、試合の結果に影響を及ぼし得たことが確認されました』として、日本サッカー協会(JFA)と国際サッカー評議会(IFAB)に確認した上で5日に臨時実行委員会および臨時理事会を開催し、協議した結果、実施方法や日程は未定ながらも再試合の実施を発表している。
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