J1第10節・セレッソ大阪vs浦和レッズ59分の判定は少しモヤモヤの残る結末となった。
C大阪のMF藤田直之のロングスローのクリアボールをDF松田陸がシュート。これが浦和のMF小泉佳穂の腕に当たったとされハンドの判定が下される。しかしそこでVARが介入。西村雄一主審がオンフィールドレビューを行った結果、ハンドは取り消され、浦和のドロップボールでゲームは再開した。
この場面、議論の対象は2つ。小泉のプレーがハンドかどうか。そして再開方法が浦和のドロップボールで正しかったのか。1つずつ順番に検証をしていった。
まず1つ目の事象である小泉のハンドについてはJリーグ副理事長の原博実氏も平畠啓史氏も「ノーハンド」で意見が一致。今回の審判員ゲストであるJFA審判1級インストラクター・奥谷彰男氏も「ボールに対して意図的に手を動かしているかどうか。不自然に手を広げているかどうかが観点だが、いずれも違う。至近距離からのボールが体に付けている手にたまたま当たっただけ」と解説し「このプレーをハンドにすることは厳しい」と2人の意見に同調した。
続けて議論は小泉のプレーがノーハンドならばC大阪のCKでゲームが再開されるのではないかという点に発展。原氏は「当然現場はCKだと思う」と本音を口にした。
それに対し奥谷氏は「ゴールラインを割ってから笛が鳴っているのでC大阪の選手たちがCKだと思う気持ちもよく分かります」としながらも審判側の見解を示した。
「笛のタイミングが遅れたのはそのままボールがゴールに入る可能性や味方につながってさらにチャンスになる可能性を見たから。でも結果的にそうならなかったのでハンドのファウルで笛を吹いた。主審はあくまでもハンドでゲームを止めた理解をしていると思う」
ただ、この奥谷氏の意見を聞いても原氏のモヤモヤは解消されなかったようで「オンフィールドレビューでハンドではないとしたなら、その後、様子を見せたんだし、『CKでいいじゃん』とみんなが思ってしまう。だとすれば『ルールで決めたんだ』ではなく、C大阪のCKだったらみんながハッピーだった。色々とあるとは思うけど、サッカーの精神からすれば『CKでいい』というのが僕の意見です」と現場やファン・サポーターの立場から率直な思いを口にし「杓子定規ではなく上手く適用することがいいと思う」と提案を行った。
厳格にルールに則る部分と現場の雰囲気を大切にする部分。審判団と選手たちはお互いにプロとして良い試合を届けようとしているだけに、その塩梅が1番難しいのかもしれない。
Jリーグジャッジリプレイ
- 配信:DAZN
- 配信日:毎週火曜日
- MC:桑原学
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