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明治安田J1リーグ

【ライバルウィーク特集・山根視来インタビュー】今季の成長、日本代表、そして名古屋戦 | 川崎フロンターレ | Jリーグ

林遼平
【ライバルウィーク特集・山根視来インタビュー】今季の成長、日本代表、そして名古屋戦  | 川崎フロンターレ | JリーグDAZN
【国内サッカー・インタビュー】明日から明治安田生命Jリーグでは注目試合が目白押しだ。4月29日から5月16日までに、数多くのライバル同士の対戦が実現する。
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とりわけ注目なのは、現在J1で首位につける昨季王者川崎フロンターレと、2位の名古屋グランパスの2連戦。リーグで連戦で行われること自体稀なことだが、今回はそれが絶好調の2チームによる首位攻防戦というのだから見逃せない。川崎Fは30得点と持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮しここまで無敗。対する名古屋は直近でリーグ新記録となる9試合無失点と堅守を見せている。この「ホコ×タテ」対決を前に、川崎Fの鍵を握る超攻撃的サイドバック、山根視来に話を聞いた。

自分主体で考え、成長できている

ーー川崎フロンターレは現在、12試合を終えて10勝2分となっています。この成績をどのように捉えていますか?

ここまで1試合も負けずにきたのは、すごくいいことだと思います。ただ、神戸戦と広島戦に関しては、どうしても「勝点を落としてしまった」という気持ちがみんなの中にあると思っていて、正直なところ、全部勝ちたかったという思いがあります。

ーーサッカーにおいて“全て勝つ”のは、なかなか簡単なことではないと思います。

昨年の積み上げもありますし、やはり自分たちとしては圧倒していかなければいけないと思っています。勝点を落とした試合は、先制した中で追いつかれていますし、改めて見返すと「ここをああしておけばよかった」という修正点も多い。それを試合の中で、失点する前に改善できたらよかったという思いがかなり強いですね。

ーー個人としてはどうでしょう?ここまで1得点4アシストの結果を残しています。

悪くはないと思っています。ただ、やはり継続しないといけないですし、これが単発で終わっては意味がありません。今の時点では、その記録が出ているからどうだという考えはないですね。常に目標として1試合で1つアシストや得点をすることを考えていますし、今はどんどん試合がくるので、まずは目の前の試合で結果を出すという感じです。

ーー昨年、お話を聞いた時、シーズン中盤戦などは「自分が何もしていなくてもチームが勝っている」みたいな話をしていました。今年ここまではいかがでしょうか?

今年は、そういうゲームはあまりないと思っています。今年はどんどん自分主体にやってもいいかなと思っていて、それに加えて新加入の選手が中盤に多かったので「こういう風にやってほしい、こうしたいんだ」と発信する機会も増えています。そういうところでも、自分主体で考えることが増えたので、何もしていないと感じることはなくなってきたと思います。

ーーその点では昨年からの変化を感じているんですね。

それは間違いなく成長したところだと思います。一方で、もちろん自分のプレースタイルを忘れてはいけません。全部それに固執せず、しっかり犠牲心というか、そういうのを持って取り組んでいるつもりです。

ーー今年、アシストの種類が増えているなと感じています。意識しているところはありますか?

昨年はずっとクロス練習をしていたのですが、なかなかドンピシャで合うクロスを上げられませんでした。ただ、今年はそういうのもサイドバックとして必要だと感じていました。その中、なんとなくではありますが、今年になってクロスの蹴り方やボールをどこに当てればいいかという感覚を掴み出したんです。そこから自信を持って上げられることが増えるようになりましたね。

ーーその成果が出ていると。

蹴り方を変えて見たり、どういうときにいいボールが上げられているかを繰り返しチェックしたり、コーチにいろいろ見てもらって結構、蹴り込みました。もちろん理想で言えば、もっと早い鋭いクロスなんです。ただ、それはなかなかレベルが高い。ここからクロスの質を上げるならばそこの段階にいくことかなと思いますけど、今のクロスでも武器になりつつあるのかなとは思っています。やはり真ん中に得点を取れる選手がいっぱいいるので、もっといいクロスを供給できたらなと思っています。

逆境を跳ね返す反骨心

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ーー山根選手と言えば、先月には日本代表にも呼ばれました。

代表に入っていくために川崎Fに来ましたし、ずっと入りたい思いでやっていました。昨年はなかなか国内組の活動がなかったですけど、呼ばれた時の準備はしっかりしてきたつもりです。それに、しっかりとした成績を残していかないと入れないと思ってずっとやっていました。だから、選ばれた時は心の中では驚きもありましたけど、それよりもここからもっとやらないといけないという思いが強かったです。

ーーこれまで代表に縁がなかった中で、初の代表で結果を残したことに関してはいかがですか?

自分はずっと壁にぶち当たってきた人生でした。だからこそ、試合に出られない時期に何をしたらいいかと悩むことも特になかった。メンタルという点では、ずっとエリートでやってきた選手よりも反骨心みたいなものが自分の中にあるんじゃないかなと思っています。

ーー日本代表で通用したと感じた部分を教えてください。

どうですかね。「全然やれないな」とも思わなかったし、すごくできたとも思わない、という感じです。でも、そこに差があるのかなとも感じています。ただ、川崎Fで自分が求めているものは数字なので、そこは代表に入っても示せたので良かったと思います。

本当に大事な名古屋との2連戦

4月29日(木)にまず名古屋の本拠地である豊田スタジアム、そして5月4日(火)に川崎Fのホーム、等々力陸上競技場で試合が行われる。

ーー今週はリーグ戦で2位につける名古屋グランパスと首位攻防戦が待っています。まずは名古屋の印象をお聞かせください。

数字に出ている通り、名古屋の失点数は訳がわからないくらい少ないですよね。同じディフェンダーとして信じられないなと思います。昨年もアウェイの試合では先に失点をしてしまい、その後はなかなか崩せませんでした。今年はその時以上に守備のクオリティが上がっていると思います。前線の選手の個の力もより上がっていると思うので、最高の相手だと思いますね。

ーー2連戦ということで、リーグを左右する上でも大きな試合になるでしょうか?

リーグ戦の1試合ではありますけど、1位と2位の直接対決はリーグを戦う上ではかなり大事です。そこでしっかり相手を叩くことができれば、自分たちの力で勝点を広げることができる。本当に大事な2試合だと思っています。

ーー堅守・名古屋を相手に川崎Fはどんな攻撃を見せていきたいと考えていますか?

集結した守備と言いますか、ブロックを敷かれたときの守備はなかなか強固だと思います。ただ、他のチームなら外に行くところを「川崎Fは中で勝負してくるんだ」というところを見せられればいいなと。そこで相手がより中央に集結してきたら、今度は外からフリーでどんどん湧き上がってくる攻撃を出せればいいですし、相手が後手後手になるような攻撃をしたいですね。

ーーちなみに今回、対戦相手では名古屋の稲垣祥選手のインタビューを行っています。稲垣選手の印象はいかがですか?

優しくて、ニコニコしている人です。代表では(元SMAPの稲垣吾郎にちなんで)吾郎くんと呼んでいました。「吾郎くんでいいんですか?」と聞いたら「いいわけないでしょ(笑)」と言っていましたね(笑)。プレー面では、Jリーグのボランチの中でもトップと言えるほどの守備のスペシャリストだと思います。また、今年はそれプラス得点を取っている。枠に飛んでくるミドルは怖いですね。あそこで持たれたときに一発で失点してしまうと、名古屋の思う壺だと思うので、そこは警戒しないといけないと思っています。

ーー最後になりますが、この大一番に向けて改めて意気込みをお聞かせください。

やはり直接対決で2試合連続というのはなかなかありません。だからこそ、第1戦で川崎Fはやっぱり強いなと思わせることが、第2戦を優位に戦う上で大事だと思います。名古屋は相当守備に自信を持っていると思いますけど、その守備を崩すクオリティを見せることで粉砕できるように頑張りたいと思います。

文・インタビュー 林遼平

埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。

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