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明治安田J2リーグ

【コラム】高まるチームの総合力。曹貴裁監督率いる新生サンガは、自分たちの足元を見つめて首位撃破に挑む | Jリーグ

【コラム】高まるチームの総合力。曹貴裁監督率いる新生サンガは、自分たちの足元を見つめて首位撃破に挑む | JリーグDAZN
【国内サッカー ライターコラム】直近10試合で8勝と圧倒的な成績を残し、3位にまで上がってきた京都サンガF.C.は今節、首位のアルビレックス新潟と対戦する。勝てば首位に浮上する一線を前に、京都を精力的に取材する雨堤俊祐氏が好調の要因を紐解く。
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新生サンガを作り上げる曺貴裁監督

明治安田生命J2リーグは前節で全日程の3分の1を消化。4月から5月にかけて6連勝を記録し、琉球との直接対決を引き分けた後も連勝するなど勢いがある京都サンガF.C.は、現在3位につけている。一昨年は最終節までJ1昇格の可能性を残すなど健闘を見せながら、昨年は序盤こそ好発進を遂げたが後半戦に失速。試合内容も低調で、落胆の声が大きいシーズンだった。 

それが今年は4月から5月にかけて6連勝を記録し、琉球との直接対決を引き分けた後も連勝するなど勢いがある京都。その原動力としてまず挙げられるのが、今季から就任した曺貴裁監督の存在だ。日々の練習から選手を鍛え上げ、攻守にアグレッシブなスタイルをチームに植え付けている。

前線から積極的にプレスを掛け、攻撃に転じた際もリスクを恐れずに人数を掛けてゴールを狙うのが新生サンガのスタイル。それらを湘南ベルマーレ時代に習得しているMF松田天馬をはじめとする"キジェ・チルドレン"らの加入もあって、早い時期から表現できていることが好調の要因となっている。

選手に目を向ければ、前述した松田らに加え、攻撃的左サイドバックのDF荻原拓也や中盤で舵を切れるMF武田将平など新加入組のプレーは、今季の補強の正しさを証明している。既存の戦力も存在感を発揮しており、中でもFWピーター・ウタカとDFヨルディ・バイスという攻守の要を新戦術に適応させたことは見逃せない。

昨季J2得点王のウタカは決定力やチャンスメイクだけでなく要所を押さえた守備で新たな一面を発揮し、バイスは守備力や空中戦に加えて14試合で4得点と攻撃においても貢献する。また、アカデミー出身のMF福岡慎平やMF川﨑颯太ら若手選手が与えられたチャンスを生かして才能を開花させつつあるのも、育成型を掲げるクラブにとっては嬉しい要素だ。

指揮官は開幕からの日々を登山に例え、こう話している。

「下を振り返ると、決して綺麗な道を歩んできたわけじゃない。穴があれば、高い木もあった。夜の暗闇で獣に襲われそうな時間もあったが、前に進み続けた結果、上の景色が見えるようになってきた。ただ、上の景色を見すぎてしまうと、足元に落とし穴があっても気付けない。日々いろいろなことが起こる中、それを解決しながら進んでいくことが大事だし、これからもそれを積み上げていくだけです」

チームの総合力が試される新潟戦

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好調・京都は今節、首位を走るアルビレックス新潟に敵地で挑む。京都の特徴がプレッシングなら、新潟の特徴はボールを保持しながら戦いを進めること。DF千葉和彦らが顔を並べるDFラインはビルドアップに長けており、そこにGK阿部航斗も加わることで相手のプレッシャーを回避し、手薄となったエリアにボールを送って攻撃を展開できるチームだ。京都としては"前からプレスに行ったがかわされて、最終ラインが晒されてしまう。単独での対応を余儀なくされる"という展開は避けたいのだが、それを得意とするJ2首位の強敵に挑む構図と言えるだろう。

そんな意図も含ませて曺監督に質問をぶつけてみたところ、こんな答えが返ってきた。

「僕は京都がハイプレスのチームだと言ったことはないし、ボールを持つ、持たないとも言っていない。様々な状況に応じたプレーを磨いていくことが勝利への道。ハイプレス、リトリート、カウンター…(それだけで)この試合を語るのはナンセンスだと思う。それらを効率よく出せたチームが勝つ」

就任当初にも「現在のサッカーは『この戦い方しかできません』では勝てない」と話しており、チームの最も得意とする箇所を研ぎ澄ませつつ、それ以外の部分もフォーカスしてチームの総合力を高めているのが今年の京都だ。

実際、連勝中にはプレスに行けない状況を守備ブロックで耐えて逃げ切った試合もあるし、前節・水戸ホーリーホック戦ではパスをつないで相手の守備を攻略した上でゴールも決めている。プレッシングというストロングポイントで制することができれば良し。もし難しい場合は、その状況に応じた戦い方を見極めてピッチ上で実行する。時間帯によって、理想と現実を行き来することになるかもしれない。

首位チームを相手に試される総合力。「僕の中では大一番というよりは、自分たちの足元を見つめて、しっかり歩を進めるべき試合」(曺監督)と言うのは偽らざる気持ちだろう。

首位と3位の上位対決という状況に加えて、ピッチ上で見せるパフォーマンスでも注目を集める両チーム。今後のJ2を占う上でも見逃せない試合だ。

文・雨堤俊祐

京都府出身。生まれ育った地元・京都を中心に、Jリーグから育成年代まで取材するサッカーライター。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』で2005年から10年間、京都サンガF.C.の担当記者として活動。現在は京都のオフィシャル媒体やサッカー専門誌・ウェブメディアなどで執筆している。また、TVではJ:COMの『FOOT STYLE 京都』にコメンテーターとして出演中。

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