きっと多くの日本代表サポーターが首をかしげたことだろう。そのシーンはベトナム戦の40分に訪れる。日本はCKのクリアをつなぐとハーフライン手前でそのボールを伊東純也が拾いスピードに乗ったドリブルで一気にゴール前へ。左サイドから中央へカットインしていった伊東は右足を迷いなく振り抜き豪快にゴールネットを揺らす。誰もが認めるスーパーゴールであった。
しかし、その喜びも束の間でVARが介入。主審がオンフィールドレビューをした結果、伊東がシュートを打った場面で、ゴール前に駆け上がってきていた田中碧のプレーがオフサイドと見なされ、惜しくもゴールは取り消しとなった。
この判定に平畠啓史氏は「理解はしますけど納得はしません…。VARは明白な間違いを指摘するものだと思うので、厳密に見ていけばオフサイドになるかもしれないですけど、そもそも明白ですかね?」と渋い表情を浮かべ、播戸竜二氏も「細かく見ればしょうがないかなと思うけど、最初はびっくりして何が起こったのかと思った」と驚きの様子であった。
識者2人も納得がいかないように、日本にとって実に厳しい判定となった今回の場面であるが、ここでの論点は3つ。田中碧の位置がオフサイドポジションであったかどうかも際どい場面ではあるが、オフサイドポジションにいたとした上で、①田中碧がシュートに触れているか、②DFのプレーを妨げたか、③GKの視線を遮ったか、の3点がポイントに挙げられる。
そこで審判ゲストの奥谷彰男氏の見解はこうだ。まず①については「田中碧選手に当たっていたかどうかはファクトであり、そこで当たっていたとなればVARのオンリーレビューになりますからここでは当たってないということですね」と考えを示した。
そして、難しいのは②と③の判断になるが、奥谷氏は「映像を見ると、ベトナムのDFの選手からはプレーする意図を感じないです」と、まず②を理由にオフサイドを取られた可能性が低いことを指摘。続けて「その次はGKの視線を遮ったかどうかがポイントになると思いますが、映像を見ると、伊東選手がシュートを打つ瞬間は、まだ田中碧選手はGKの視線に入ってきていないので影響はなかったと思います」と主張し、3つのポイントそれぞれに照らし合わせても当てはまるモノが考えられないため「オフサイドはなかったと思います」と見解を述べた。
また、仮に伊東がシュートを打った直後に田中碧がゴール前を横切っていたとしても「田中碧選手がボールにプレーしようとしていたら見方はまた変わる可能性はあるかもしれない」としながらも、今回の一連の流れを見る限りは「田中碧選手のアクションはボールに向かっていったというよりも、当たらなくてよかったという風に見えるので明らかに相手の視線を遮ったとはならないと思います」と、オフサイドの可能性は低いとした。
ただ、最後に奥谷氏は「オフサイドの判定は厳しいと思うが、まったくの間違いとは言い切れない。サポートできる範囲でもあると思います」と、今回の審判団の決断が間違っていないとも話しており、いかに際どく、主審の判断による部分が大きい判定であったかは伝わってきた。
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