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【川崎フロンターレ優勝特集】山根、三笘、旗手。歴史的な優勝を支えた新戦力たちの躍動| Jリーグ

【川崎フロンターレ優勝特集】山根、三笘、旗手。歴史的な優勝を支えた新戦力たちの躍動| Jリーグ(C)J.LEAGUE
【Jリーグ コラム】Jリーグ史上最速での優勝を決めた川崎フロンターレ。圧倒的な力の背景には、山根視来、三笘薫、旗手怜央ら新戦力の躍動があった――。
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4試合を残して2年ぶり3度目のリーグ制覇。勝てば優勝が決まる2位ガンバ大阪との直接対決で5-0の大勝を収め、川崎フロンターレは圧倒的な強さで2020シーズンの頂点にたどり着いた。

30試合を終えた時点で24勝3分3敗の勝点75。数字を見れば、いかに今季の川崎Fが強かったかが理解できるだろう。得点79と失点25はどちらもリーグ最高の数字。攻守にアグレッシブなサッカーを貫き、栄光を掴み取った。

今季の強さの要因は様々にあるが、特に注目したいのが新戦力の貢献度だ。特に湘南ベルマーレから加入した山根視来、大卒新人の三笘薫と旗手怜央の3人は、最後の試合でピッチに立つなど、その存在感を遺憾なく発揮した。

ようやく見つけた右SBのラストピース

序盤戦に名を上げたのは山根だ。かつて川崎Fの右サイドに君臨したエウシーニョの移籍後、なかなか見つからなかった右SBの穴を埋める存在として期待された山根は、開幕戦からレギュラーポジションを奪取。現代サイドバックらしいインナーラップや無尽蔵のスタミナを使った上下動に加え、湘南で培った守備力を披露し、すぐさまチームに欠かせない選手へと成長した。

また、山根の特徴であるドリブルは、川崎Fに新たな攻撃のバリエーションを生んだ。相手のプレッシャーを受けたとしてもドリブルで一人かわし、仲間に預けて前に出る。この動きで相手の守備を惑わすと、自らもゴールを目指し、チャンスに絡んで行った。その攻撃性は、鬼木達監督が志向した「超アグレッシブ」な戦いに打ってつけで、パスだけでなく個で打開するアイディアを活性化させることにつながったのは、チームにとっても大きかった。

シーズン終盤は、技術力や状況判断といった点で周りとのギャップに悩まされるところもあったが、そこをさらに乗り越えれば川崎Fの不動の右SBとして君臨することになるはずだ。

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予想を超えた大卒新人二人の活躍

新戦力の活躍という点では、大卒新人二人がピッチで見せたパフォーマンスは予想以上だった。正直、シーズン前のキャンプ等を見ていたときは、少し時間がかかる印象を受けた。互いに切れ味を見せていたが、ムラもあって周りに比べればまだまだ。途中出場でチャンスを与えられながら少しずつ、というのが理想かと思っていた。

しかし、新型コロナウイルスの影響で5人交代になったことも一因ではあるが、蓋を開けてみれば縦横無尽に走り回る二人の姿があった。

結果で違いを示したのは三笘だ。しなやかで鋭いドリブルと一瞬のスピードを武器に相手DFを翻弄。「最初の印象はチャンスメーカー」と指揮官が言うようにドリブルから先のパスで違いを示すことを期待されていたが、シーズン途中からゴールを量産してチームの勝利に貢献した。

「チャンスメーカーとはいえ、ちょっと人とは持ってるモノが違うから得点には絡んでくるなと。でも得点となると、やはり最後のところで雑になってしまう印象があった。ただずっと言い続けたのは、得点に絡むことと得点。一番最後のところが重要だという話しはしていたんです」(鬼木監督)

得点を重ねるようになってからは一段と相手のマークが厳しくなった。それでも今度はそれを活用して相手を引き付けてラストパスを狙い、1対1になるなら積極的にドリブルを仕掛けた。G大阪戦でも家長昭博の得点をアシストした場面に、そういった成長の歩みが見て取れる。1年の中で一つずつ成長を遂げていったからこそ、今や誰も止められない“三笘薫”になったのである。

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そして、そんな三笘の活躍に負けてられないと言わんばかりに存在感を示したのが旗手だった。三笘のようにドリブルで切り裂いていくタイプではない旗手は、ゴールへ向かう積極性と攻守におけるハードワークでチームのために戦い続けた。

とりわけ前線からのハードワークはチームの助けになった。苦しい時でも前から追うことは忘れず、常にプレッシャーをかけ続けてミスを誘う。フィジカルコンタクトも強くなり、ボールキープ力も上がった。それでいてシーズン中盤にはゴールも奪取。守備面だけでなく、得点やアシストで貢献できるようになったことでチームに欠かせない一人となった。

ただ、これだけの力を見せながらも現状には満足していない。「僕自身、このチームでこうやって多くの試合に絡めると思っていなかった。試合に出て結果を残せるとも思っていなかった。そういう中で結果を残せたことに関してはすごく嬉しい」としつつ、「でも、もっとゴールを決められるところがたくさんあった。そこはまだまだやれるんじゃないかなというのは自分の中にあります」と口にするのは同期のライバルの存在も大きいだろう。

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互いに切磋琢磨しながら成長を続けた二人の若人には、今後もさらなる成長を期待したい。

イレギュラーなシーズンとなり、タイトなスケジュールの中で様々なやりくりをしながら優勝を手にした川崎F。この優勝には、新戦力の躍動が大きく関わっていたことを忘れてはならない。

文・林遼平

埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。

川崎フロンターレ優勝特集

川崎フロンターレの試合日程

日時対戦カードスタジアム放送予定
12/22(土)15:03サガン鳥栖 H等々力△ 0-0
27/4(土) 19:00鹿島アントラーズ H等々力〇 2-1
37/8(水) 19:30FC東京 A味スタ〇 4-0
47/11(土) 19:00柏レイソル H等々力〇 3-1
57/18(土) 18:00横浜FC Aニッパツ〇 5-1
67/22(水) 19:30ベガルタ仙台 Aユアスタ〇 3-2
77/26(日) 19:00湘南ベルマーレ H等々力〇 3-1
88/1(土) 19:00ガンバ大阪 Aパナスタ〇 1-0
98/8(土) 19:00大分トリニータ H等々力〇 2-0
108/15(土) 14:00北海道コンサドーレ札幌 A札幌ド〇 6-1
118/19(水) 19:00セレッソ大阪 H等々力〇 5-2
128/23(日) 18:00名古屋グランパス A豊田ス● 0-1
138/29(土) 19:00清水エスパルス H等々力〇 5-0
149/5(土) 18:00横浜F・マリノス A日産ス〇 3-1
159/9(水) 18:30ヴィッセル神戸 H等々力〇 3-2
169/13(日) 18:30サンフレッチェ広島 H等々力〇 5-1
179/20(日) 19:00浦和レッズ A埼玉〇 3-0
189/23(水) 19:00横浜FC H等々力〇 3-2
199/27(日) 19:00湘南ベルマーレ ABMWス〇 1-0
2010/3(土) 15:00セレッソ大阪 Aヤンマー〇 3-1
2110/10(土) 18:00ベガルタ仙台 H等々力〇 1-0
2210/14(水) 19:00サンフレッチェ広島 AEスタ〇 2-0
2310/18(日) 19:00名古屋グランパス H等々力〇 3-0
248/26(水) 19:00ヴィッセル神戸 Aノエスタ△ 2-2
2510/31(土) 18:00FC東京 H等々力〇 2-1
2611/3(火・祝) 14:00北海道コンサドーレ札幌 H等々力● 0-2
2711/14(土) 17:00鹿島アントラーズ Aカシマ△ 1-1
2811/21(土) 14:00大分トリニータ A昭和電ド● 0-1
2911/25(水) 18:30ガンバ大阪 H等々力○ 5-0
3011/18(水) 19:00横浜F・マリノス H等々力○ 3-1
3112/5(土) 14:00清水エスパルス AアイスタDAZN
NHK静岡
3212/12(土) 14:00サガン鳥栖 A駅スタDAZN
3312/16(水) 19:00浦和レッズ H等々力DAZN
3412/19(土) 14:00柏レイソル A三協F柏DAZN

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