3週間の中断期間から9日、待望のリーグ再開を迎える明治安田J2リーグ。ここから激しさを増していく"J1昇格争い"と"J2残留争い"の二つのバトルが本格的にスタートしていく。各クラブの現実的な目標も定まっていく中、今シーズンのJ2も最後まで目が離せない展開が期待できそうだ。それぞれ注目チームをピックアップし、後半戦の展望を紹介する。
■J1への2つの切符を手にするは果たして・・・
シーズン開幕からアルビレックス新潟、FC琉球が5連勝と好スタートを切り、2チームが独走したリーグ序盤戦から昇格候補の本命でもあった京都サンガF.C.とジュビロ磐田がシーズン途中から追い上げを見せて、最終的には立場を逆転させた前半戦。第21節終了時点で磐田が首位、京都が2位というポジションで折り返し、再び巻き返しを目指す新潟と琉球、さらに中断前に調子を上げてきたヴァンフォーレ甲府、モンテディオ山形、FC町田ゼルビア、V・ファーレン長崎らセカンドグループの各チーム勢いがあり、J1昇格の行方は最後までもつれていきそうだ。
その中でも中断前の後半戦スタート2試合で磐田が1分1敗と足踏みしている間に、1勝1分で首位に再浮上している京都は、リーグの中でも最も安定した戦いぶりを見せているだけに、優勝候補の本命と言えそうだ。今シーズンから就任した曹貴裁監督の下、ハードワークをベースに強度と連動性を兼ね備えたプレッシングを武器にここまでリーグ最少失点の16失点を記録し、12ゴール・7アシストのFWピーター・ウタカを軸に、チームとしても素早いトランジションをベースとした縦に鋭いカウンターもあれば、選手同士の連係を生かした崩しもありと攻撃面も多彩。攻守のバランスが最も統率されている京都は、後半戦も変わらず、リーグを先導する存在となりそうだ。
また京都と勝ち点で並んでいる磐田は、MF遠藤保仁やDF大井健太郎ら経験豊富なベテランを軸に”大人なサッカー”で勝負を制してきた。チームが思い描く理想のスタイルには現状届いていないものの、試合を重ねるごとに成熟を見せている。さらに今夏は、J1の横浜FMからDF伊藤槙人、DF高野遼、そして同じ静岡県の清水エスパルスからMF金子翔太と実力者を獲得し、戦力の充実度はリーグ屈指。この三人がスムーズにフィットすれば、自ずとこの立場を死守していきそうだ。
前半戦最後に失速した印象もある新潟は、攻撃の成熟度で言えばJ2トップ。自分たちのスタイルを貫いており、かつ戦略的な戦いでリーグ最多の44得点と結果も伴っている。ただストライカーのポジションは、前半戦も試行錯誤している印象もあり、J1の大分トリニータからやってきたFW髙澤優也がチームの絶対的な柱となれるか。このピースがピタリとはまれば、前半戦以上に猛威を振るう存在となりそうだ。
4位の琉球は、6ゴールのMF池田廉、チーム最多の8アシストのDF田中恵太、全試合に出場しているMF上里一将と相次ぐ主力の負傷に悩まされている。そんな苦境を乗り越えるためにも浦和レッズから期限付き移籍で獲得したMF武田英寿、21歳のブラジル人FWヴィニシウスらに期待がかかる。再開後は、主力不在の間に上位に踏み止まれるかが正念場となりそうだ。
また上位4チームの他にも甲府、山形、町田、長崎とそれぞれに勢いがある。その中でもシーズン途中にピーター・クラモフスキー監督を招聘した山形は、見事なV字回復を遂げて9勝1分と無敗をキープしたまま中断に入り、J2で最も勢いのあるチームだ。再開後は、台風の目としてJ2を昇格レースを激化させる存在となってくれそうだ。
■今年の降格数は2→4。最後に涙をのむのは果たして・・・
一方でJ2残留争いは、例年以上に厳しい戦いが待ち受けている。2チームから4チームに枠が拡大した今シーズンは、現在降格圏に沈んでいるSC相模原、大宮アルディージャ、愛媛FC、ギラヴァンツ北九州と4チームのうち、3チームが既に監督交代を決断。素早い動きで降格圏脱出を目論んでいる。試合数が減っていくたびに”降格”というプレッシャーがより一層大きくなっていくここからの戦いで、最後に残留を果たすのはどのチームか。J2残留争いも混戦になりそうな予感だ。
J3昇格組の相模原は、5月に高木琢也新監督を迎えたものの、依然として最下位を脱出できていない。しかし13試合ある黒星の中で大敗と言えるのは、第11節の琉球戦(1●5)のみ。リーグワースト12得点の攻撃面の修正を図り、負けを引き分けに、もしくは勝利に繋げていけるかが反撃へのポイントになりそうだ。
また21位とまさかの不振に苦しんでいる大宮。ただ6月に霜田正浩監督就任以降は、リーグ戦でわずか1敗(1勝4分1敗)と浮上の兆しも見え始めている。特にセンターフォワードとして新体制で重用されているFWイバは、6試合で3ゴールと復活。背番号19が反撃へのキーマンとなりそうだ。
昨シーズン21位に終わっている愛媛は、今シーズンも厳しい戦いが続いている。J2全クラブの中で1番最初に監督交代も決断したものの、その後も満足いく結果は残せていない。特にリーグワースト41失点と守備の不安定が足かせとなっているだけに、山形からDF栗山直樹、松本山雅FCからDF高木利弥と新たに獲得したDF陣には、大きな期待がかかっている。
愛媛とは対照的に昨シーズン5位と躍進を見せた北九州は、開幕前に主力を引き抜かれた影響が大きく、ここまで19位と苦戦。ただ今夏に昨シーズンの主力でもあったDF福森健太、MF椿直起が期限付き移籍で復帰し、戦力アップを図ることに成功している。北九州の戦術を理解する二人は、チームの救世主となれるか。ここからの反撃に期待したい。
その他にも名波浩新監督を迎えた松本やクラブ史上初めてシーズン途中に監督交代を決断した群馬もすでに劇薬を注入しているが、この効果がどう作用していくか。後半戦の注目ポイントになっていくことは間違いない。
J2後半戦は、”昇格”・”残留”と各クラブの立場が決まってくることで激しい戦いが増えていくだろう。今シーズンのクライマックには、どんなドラマが待ち受けているか。J2から再開後も目が離せない。
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