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【コラム】マンチェスター・ダービーに臨むスールシャールへの提案「開き直ってみないか?」| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】マンチェスター・ダービーに臨むスールシャールへの提案「開き直ってみないか?」| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】6日に開催されるマンチェスター・ダービー。シティ優位の見方が強いその大一番で、ユナイテッドのスールシャール監督は開き直るべきかもしれない。

人並み外れた強運の持ち主

最近の マンチェスター・ユナイテッド は、いろいろな意味でスリリングだ──。

チャンピオンズリーグ(CL)は第2節から4節まで、いずれもクリスティアーノ・ロナウドが劇的なゴールを決めた。プレミアリーグは9節のリヴァプール戦で0-5の惨敗。続く トッテナム 戦は「負ければ解任」と、オーレ・グンナー・スールシャール監督の首筋がまたしても寒くなったが、ロナウド、エディンソン・カバーニ、マーカス・ラッシュフォードのゴールによって、現体制は “残念ながら” 存続している。

さぁ、週末はお楽しみのマンチェスター・ダービーである。いや、両チームの現状を踏まえると楽しくはない。有利・不利は火を見るよりも明らかだ。

ユナイテッドはバタついている。例によって連動性がなく、対戦相手の違いにかかわらず、苦しい闘いの連続だ。

最も懸念すべきは守備の脆さである。10節終了時点で15失点。最少の チェルシー より12点も多い。12点!? 約束事がほとんどなく、連携とは無縁のパフォーマンスに終始してきた代償は、あまりにも大きかった。

さらに、ふくらはぎの負傷が長引いているのか、ハリー・マグァイアがスピード不足を露呈している。CLでも狙われ、4節の アタランタ 戦ではドゥバン・サパタに追いつけず、無様な失点を喫した。

徒競走でほとんど勝てないCBは不要だ。 マンチェスター・シティ の多彩な攻めに振りまわされ、裏を取られたくないためにラインを下げる。中盤も前線もポジションが低くなる。ペップ・グアルディオラ監督の思うつぼだ。

ここでひとつ提案がある。スールシャールは人並み外れた強運の持ち主だ。解任の噂が立つたびに奇跡的な勝利で切り抜けてきた。

ダービーは開き直ってみないか。

リンガードが有効な手札になる

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前記のアタランタ戦でハムストリングを痛めたCBラファエル・ヴァランは、1ヶ月ほど欠場する。月曜(1日)の練習中に肩を負傷したCBヴィクトル・リンデレフは間に合うのだろうか。マグァイアはあのざまだ。

ユナイテッドに限らず、センターバックが同時に欠場するケースは少なからず訪れる。こうしたピンチをチャンスに代え、手駒を有効活用するのが監督の務めだ。

最終ラインは右からエリック・バイリー、ネマニャ・マティッチ、ルーク・ショー。右ワイドにアーロン・ワン=ビサカ、左はアレックス・テレス。完全な付け焼刃だ。サマーキャンプでも練習試合でも、この並びは一度もない。

急造DFはシティに歯が立たず、0-5のリヴァプール戦の再現、いやいや、6~7点も取られるかもしれないが、ケガをしている者に無理強いするよりも、他の選手の可能性を見いだす方がポジティブだ。

また、ロナウドの相棒も悩ましい人選である。

彼の守備力を踏まえると、攻守の切り替えが疎かなラッシュフォードとメイソン・グリーンウッドは危険すぎる選択だ。シティのビルドアップを少しでも制限するためにはカバーニ、もしくはジェシー・リンガードが有効な手札になる。

筆者の推しメンはリンガードである。

9節終了時点の走行距離(1試合平均)はチーム最長の15.4km。出場時間が短いとはいえ、彼はよく走り、ボール奪取には至らないものの、少なくともパスコースだけは限定する。ロナウドの不足分を補うためにはうってつけであり、前線、両ウイング、トップ下をこなせる汎用性も魅力のひとつだ。ちなみにロナウドは、1試合平均の走行距離が9.3kmに留まっている。

選手個々の力に委ねればいい

今シーズン、ユナイテッドの4バックは脆さを露呈した。前線は攻守の切り替えが鈍く、チーム全体のプレスも連動性に欠けたため、守備のバランスが簡単に崩れた。サイドバックがつり出され、大きなスペースができていた。

その不安を解消するためにスパーズ戦では3バックを採用。的確なカバーリングを見せるヴァランが中央にいることで、マグァイアのスピード不足やリンデレフの貧弱なフィジカルが致命傷にならなかった。だが、頼みのフランス代表CBは負傷離脱中。繰り返すが、シティ戦は欠場する。

しかし一軍の将は、状況に応じて異なる戦略を用いなければならない。

もちろん、スールシャールにそのような能力はないことは百も承知だ。ただし、彼は有能な選手に恵まれている。いまさら緻密な計画など練り上げられないのだから、いつものように選手個々の力に委ねればいい。

難しい仕事ではない。メンバー表に書き込む選手名が変わるだけだ。その程度の仕事なら、スールシャールにもできるはずだ。

不安、怒り、焦燥……。いま、世界中のユナイテッド・サポーターがネガティブな感情と付き合いながら日々を過ごしている。今週末、彼らの心はとどめを刺されるのだろうか。負けたら負けたで、上層部は真剣に新監督を探すのだろうか。

マンチェスター・ダービー間近だというのに、気分が滅入るだけだ。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

配信情報

プレミアリーグ第11
マンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティ

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:日本時間11月6日(土)21:30
  • 解説:戸田和幸 実況:野村明弘
  • 会場:オールド・トラッフォード

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粕谷秀樹のNOT忖度

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