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プレミアリーグ

【コラム】プレミアリーグ開幕節の注目カード三選「 “ヘヴィメタル・フットボール” が心地よく響く」| 粕谷秀樹のNOT忖度

【コラム】プレミアリーグ開幕節の注目カード三選「 “ヘヴィメタル・フットボール” が心地よく響く」| 粕谷秀樹のNOT忖度(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】2021-22シーズンのプレミアリーグ開幕節における注目カードの展望だ。リスク覚悟の大勝負に出るノリッジとリヴァプールの一戦は“ヘヴィメタル・フットボール” が心地よく響きそうだ。

注目カード①ブレントフォード対アーセナル

  • キックオフ:日本時間8月14日(土)4:00
  • 会場:ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
  • 通算対戦成績:ブレントフォード5勝 ドロー3試合 アーセナル3勝

この夏のアーセナルからは復活への覚悟が感じられる。MFエミール・スミス・ロウ、ブカヨ・サカ、FWガブリエウ・マルティネッリ、ニコラ・ペペら若手・中堅にさらなる成長が見込めるため、契約満了で退団したDFダヴィ・ルイスだけではなく、DFエクトル・ベジェリンとFWアレクサンデル・ラカゼットも売却する方針だ。

21歳のMFジョー・ウィロックこそ2500万ポンド(約38億円)でニューカッスルへの移籍が決定的になったが、DFベン・ホワイト(←ブライトン)、ヌーノ・タヴァレス(←ベンフィカ)、MFアルベール=エムボヨ・サンビ・ロコンガ(←アンデルレヒト)といった20代前半の有望株を次々に獲得した補強プランも、新時代の到来を告げている。

もちろん、ブレントフォードも並々ならぬ闘志で挑んでくる。なにしろ1946-47シーズン以来、74年ぶりのトップリーグ昇格だ。アーセナルを下せば、「俺たちもできる」と自信がつく。ただ、昨シーズンのチャンピオンシップ(2部に相当)で31ゴールを挙げたアイヴァン・トニーはともかくとして、全体的な選手層が非常に薄い。

とくに守備陣は「プレミアリーグで通用するレベルとは思えない」と多くのメディアが指摘しているだけに、開幕早々に大量失点を喫する危険もはらんでいる。

選手個々の質はアーセナルがはるかに上だ。より速く、より組織的に、という現代フットボールに適したタイプを揃えつつある。番狂わせは考えられない。

注目カード②マンチェスター・ユナイテッド対リーズ

  • キックオフ:日本時間8月14日(土)20:30
  • 会場:オールド・トラッフォード
  • 通算対戦成績:ユナイテッド47勝 ドロー36試合 リーズ26勝

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ユナイテッドの強化は着々と進んでいる。右ウイングにジェイドン・サンチョ(←ドルトムント)、CBにラファエル・ヴァラン(←レアル・マドリード)を加え、移籍市場が終了するまでに右サイドバックのバックアッパー、もしくは守備的MFの獲得も確実視されている。

ポール・ポグバの移籍もとりあえず見送られた、とみていいだろう。なぜなら、リオネル・メッシがバルセロナからパリ・サンジェルマンに移籍したからだ。華の都のリッチなクラブをもってしても、ポグバの高給まで支払う経済的な余裕はない。ポグバ自身もインスタグラムで決意を新たにしている。

「It’s time for the new season !」

また、現地時間7日に行われたエヴァートンとの強化試合で、ハリー・マグァイアとルーク・ショーが出色のパフォーマンスを披露した。ともにイングランド代表のEURO2020準優勝に尽力。激闘の疲れが尾を引き、開幕に間に合わないのではないかとの危惧もあったが、堂々たるプレーぶりだった。

さらに、ヴァランの加入で刺激を受けたヴィクトル・リンデレフも素晴らしい出来で4-0の圧勝に貢献し、オーレ・グンナー・スールシャール監督をおおいに喜ばせている。ただ、9日の全体練習で初合流のサンチョはコンディションを踏まえると、先発出場は難しい。

リーズを率いるマルセロ・ビエルサ監督は百戦錬磨で、彼が作った運動量豊富なチームは実に厄介だが、強化試合で仕上がりの良さを見せたユナイテッドなら、苦しんだとしても3ポイントを手にする可能性が大きい。

注目カード③ノリッジ対リヴァプール

  • キックオフ:日本時間8月15日(日)1:30
  • 会場:キャロウ・ロード
  • 通算対戦成績:ノリッジ14勝 ドロー14試合 リヴァプール36勝

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昨シーズンのチャンピオンシップで29勝10分7敗の勝点97。ノリッジはほぼほぼ独走で、2シーズンぶりのプレミアリーグ復帰を勝ち取った。

強豪リヴァプールを向こうに回しても、後方からパスをつなぐ得意のゲームプランでチャレンジするだろう。ボールを捨てず、リスク覚悟の大勝負だ。一昨シーズンの開幕戦でも激突し、ノリッジはアウェーで1-4の敗北を喫したものの、あきらめない姿勢が多くの共感を呼んだ。

籠城を拒む積極的なプレースタイルは、リヴァプールも望むところだ。ユルゲン・クロップ監督の “ヘヴィメタル・フットボール” が心地よく響く。二の矢三の矢でノリッジ守備網にいくつもの穴を開け、大量ゴールの期待が膨らむ。

ところが、8日に行われたアスレティック・ビルバオとの強化試合で、アンディ・ロバートソンが右足首を痛めた。代えが利かない左サイドバックのアクシデントは、クロップ監督の構想に少なからぬ影響を及ぼすに違いない。

昨シーズンのリヴァプールは、主戦CBのフィルジル・ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティップが負傷による長期離脱を強いられたために失速した。もし、ロバートソンも回復までに長い時間を要すると、左サイドバックがウィークポイントになりかねない。

はたして、クロップ監督はどのような最終ラインでノリッジを迎撃するのだろうか。CBはビルバオ戦の先発と同じくファン・ダイクとマティップで、左サイドバックはロバートソンに代わってコスタス・ツィミカスが有力だ。

※キックオフ時刻は変更になる場合も。通算対戦成績は国内のカップ戦も含む全コンペティションのデータ。

シティとトッテナムは完成度に違いが

最後にトッテナム対マンチェスター・シティ戦(日本時間16日0:30キックオフ)について少しだけ触れておこう。

シティ加入の噂が浮上中のハリー・ケインは欠場する。7日に夏季休暇からトッテナムの全体練習に復帰したばかりで、12日までは新型コロナウイルス対策の隔離生活。マッチフィットネスを整えられるはずがない。

また、トッテナムとの合意が伝えられるラウタロ・マルティネス(インテル)は、本稿執筆時点でメディカルチェックの予定すら立っていない。したがって両ストライカーは新天地が決まっていたとしても、ピッチに立つ公算は極めて小さい。

とはいえ、0-1でレスターに敗れたコミュニティシールドでも、シティは数人の若手をテストしながら試合の主導権を握っていた。対するトッテナムはヌーノ・エスピリト・サント新監督のもと、今シーズンの骨子を模索中だ。完成度の違いは明らかである。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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