ロベルト・マンチーニ監督の続投は正しい選択か。ポゼッションを主体とした攻撃的なスタイルはカルチャーに合っているのか。あるいはメンタリティーを変えるべきなのか。2大会連続でワールドカップ出場を逃したイタリア代表を巡る議論が白熱している。
「改革」ではなく「継続」を支持している一人が、イタリアサッカーに造詣が深いジャーナリストの細江克弥氏だ。DAZNのセリエA専門番組『SERIE A FREAKS』(毎週火曜)でこう熱弁した。
「(W杯予選敗退後)続投してほしいとすぐに思ったし、イタリアサッカー連盟も望んでいるだろうなと。ここ3、4年の成功体験があるし、着実に積み上がってきていることが目に見える結果を残していたので、それを一つの結果で崩してしまうのはもったいない」
細江氏はまたマンチーニ監督自身の意地にも期待を寄せる。
「本人もきっと自分が作ったイタリア代表だからこそ、こんな形で崩してしまうのは悔しいと思う。クラブでバリバリやれる年齢ですが、プライドですね。自分が作ったこのファミリーのようなチームを、こんな形で終わらせるわけにはいかないという意地を出してほしい」
29日時点で続投が有力視されているものの、マンチーニ体制がふたたび軌道に乗るかどうかは不透明。継続路線で上手くいかなかった場合、だれを後任監督に据えるべきか。
巷ではファビオ・カンナヴァーロやジェンナーロ・ガットゥーゾら大物が取り沙汰されているが、細江氏はまた違った名前を口にした。2018~21年にサッスオーロの指揮を執り、現在はシャフタールを率いているロベルト・デ・ゼルビ監督だ。
「候補に挙がっている一人でもあるけど、デ・ゼルビがどこかの形で。たとえばユーヴェが監督を代えるならデ・ゼルビっていう可能性もあると思っていたし、新しい時代を作っていく意味でのデ・ゼルビの存在感というのは、イタリアにとってすごく保険になっている」
では、イタリアの戦力面や戦術的な問題はどうか。なかでも決定力不足が囁かれているが、そもそも守りを固めた相手を「個の力でぶち破れる選手は世界でも10人くらい。それがイタリアにいるかいないか」という細江氏は他の強みを伸ばすべきと主張する。
「イタリアは時代ごとに一番どこのポジションが強みか見極めて、それを伸ばしていく。今ならキエーザとかザニオーロ、サイドですよね。そこの選手を攻撃の軸にしながら全員で点を取っていくというサッカー。これはイタリアサッカー連盟の強化方針とも合っているし、その路線でぜんぜん間違っているとは思わない。内容はいわゆるカテナチオの時代とは違う。主体的な、能動的なサッカーをして、結果1-0、2-0で勝てばいい」
一つのターニングポイントを迎えたアッズーリは、はたしてどんな道を歩んでいくだろうか。
SERIE A FREAKS
- 配信: DAZN
- 配信日:毎週火曜日
- 出演:北川義隆、細江克弥
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