中止となったジャマイカ戦から一転、急遽実現した夢のA代表とU-24代表の対決で、東京五輪で金メダルを目指す弟・U-24代表に、兄・A代表が提示したテーマは「プレー強度」だった。
横内昭展U-24代表監督は、試合後の会見で「A代表の強度でどうプレーできるかというところが見たくてメンバーを決めた」とこの試合の狙いを明かした。また、A代表を率いる森保一監督も「A代表の選手はスタートから激しくインテンシティの高い試合をやったうえで、U-24の選手がどれだけ強度の高いなかで自分のプレーができるのかを把握できた」と、口を揃えた。
だが、U-24代表は開始早々に失点し、序盤から苦しんだ。横内監督は「試合に慣れるまで時間がかかった。その時間はA代表のプレー強度の方が少し高かった」と振り返る。その後も失点を許し、結果として試合は3-0とA代表が完勝した。
久保建英、堂安律をはじめU-24代表でもA代表でのプレー経験がある選手は決して少なくない。両者の差について横内監督は「クオリティ自体は持っている選手がいる。ただ、まだまだ色んなプレッシャーのなかでプレーすることはA代表の選手が経験に勝る」と説明する。
森保監督もU-24代表が掲げる金メダルという高い目標に対し「全てにおいて物足りない部分が多かった」と厳しく指摘する。「オリンピックで金メダルを勝ち取るために、今日の試合の強度の中で自分のプレーを発揮できないと、目標を達成するのは難しい。そしてそういう選手でなければ最後のメンバー選考から入るのは難しい」
だが、足りない部分は裏を返すと伸びしろだ。森保監督もこう会見を締め括った。「ただ若い選手は短期間で一気に変わるので、今日の強度のなかでかなり刺激を受けるはず」
このあと、U-24代表は5日にU-24ガーナ代表と、そして12日にジャマイカ代表との試合を迎える。兄のプレー強度を体感した、弟の急成長に期待したい。
文・大川 佑
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。