準々決勝からは一発勝負のサバイバルマッチ
12日より準々決勝に突入したUEFAチャンピオンズリーグ。本来であればホーム＆アウェーで開催される準々決勝は、延期によるスケジュール変更の影響で、手に汗握る一発勝負のサバイバルマッチとなっている。
今晩13日（日本時間14日4：00）に行われるのは、ライプツィヒRB対アトレティコ・マドリードの大一番だ。
奇策"FWジョレンテ"で王者撃破
今季のリーグ戦では最終的に3位に滑り込んだアトレティコにとって、チャンピオンズリーグ優勝はまさに悲願だ。2013-14シーズンでは40年ぶりに決勝進出するも、宿敵レアル・マドリードとの"デルビー・マドリレーニョ（マドリード・ダービー）"に破れ、2015-16シーズンには再び決勝でのデルビーが実現するも、PK戦の末に破れ、またもや涙を飲んでいる。
昨シーズンは、天敵クリスティアーノ・ロナウドを擁するユヴェントス相手にラウンド16で敗退したものの、今シーズンは中断期間前の3月に開催されたラウンド16で昨季王者リヴァプールを撃破。
本来はピボーテを務めるマルコス・ジョレンテを、フォワードで起用する奇策がはまり、そのジョレンテはセカンドレグで2得点をあげ準々決勝進出を決定づけた。ラ・リーガ再開以降も、そのジョレンテのフォワード起用は定番化、停滞気味だったアトレティコの前線も息を吹き返している。
だが、その勝利からすでに5ヶ月が経過したいま、ディエゴ・シメオネ監督は「あの勝利は参考にならない」と気を引き締める。直近ではアンヘル・コレアとシメ・ヴルサリコの新型コロナウイルス陽性が発覚するという想定外のアクシデントが発生。特にレギュラー格で攻守両面に活躍するコレアの離脱は痛いものの、再検査の結果、新たな感染者は確認されず、チームは試合に臨むことになる。
オブラクを中心とした鉄壁の守備は健在
アトレティコといえば鉄壁の守備で知られるが、今季のリーグ戦でもわずか27失点。リーグでは下から2番目の失点数と、欧州でもベストの一人に数えられるGKヤン・オブラクを中心とした強固な守備は健在だ。
最終ラインの中央には今季から加入し存在感を示したフェリペ、あるいはステファン・サヴィッチ、ホセ・マリア・ヒメネスといった強靭なCBが、ハードワークを厭わない中盤と連携し、相手攻撃陣をシャットアウトする。
コレアの欠場により、攻撃面で重役を担うのが"新生"ジョレンテと、今年1月に大連一方から期限付き移籍で復帰したヤニック・フェレイラ・カラスコだ。2015－16シーズンの決勝で同点弾を叩き込んだカラスコは、切れ味鋭いドリブルで敵陣を切り裂くドリブラー。ハードワークを持ち味とした万能タイプが多いアトレティコでは、数少ない"違いを生み出せる"選手だ。
”鬼軍曹"ディエゴ・シメオネに油断なし
アトレティコにとっては、ライプツィヒのエースFWティモ・ヴェルナーがすでにチェルシーに移籍したことで、UCL登録メンバーから外れていることも追い風だ。
戦術家として知られる青年監督ユリアン・ナーゲルスマン率いるライプツィヒには、ダニ・オルモ、ケヴィン・カンプルやマルセル・ザビッツァーといったテクニックに優れた選手はいるものの、今季34得点を挙げていたヴェルナーの穴を埋めることは簡単ではない。
とはいえ「パルティード・ア・パルティード（1試合1試合を大切に）」を標榜する"鬼軍曹"チョロ（シメオネの愛称）のこと。万全を期してこの一戦に臨むだろう。一発勝負のデスマッチとなることで、いつもに増して緊迫感のある試合内容となるはずだ。
試合前日の会見でも「勝つことが大切なわけじゃなく、この大会で進み続けるためには、それ以外には何もない」と話した。そのとおり、アトレティコにとってもライプツィヒにとっても、この試合は勝利すること以外何もないのだ。
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2020年8月14日（金）日本時間04:00
- 解説：水沼貴史 実況：野村明弘
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