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【コラム】イングランドが見据えるのはW杯優勝。ポーランド戦で格別の勝利を| 粕谷秀樹のNOT忖度 | FIFAワールドカップ欧州予選

【コラム】イングランドが見据えるのはW杯優勝。ポーランド戦で格別の勝利を| 粕谷秀樹のNOT忖度 | FIFAワールドカップ欧州予選(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】EURO2020で準優勝を飾ったイングランド代表が、FIFAワールドカップ欧州予選でも絶好調だ。現地8日の次節ポーランド戦で格別の勝利を期待したい。

曲者ハンガリーに敵地で楽勝

EURO2020の準優勝によって、イングランド代表は変貌を遂げつつある。カタール・ワールドカップ予選で3戦全勝、9得点1失点。他を寄せつけない強さを誇示しながら、現地時間9月1日に第4節のハンガリー戦(アウェー)を迎えた。

「決して侮れない相手だ。随所に有能なタレントを揃えている」

EUROで対戦したフランス代表のディディエ・デシャン監督とポール・ポグバが、揃って警戒していた曲者である。しかもアウェーだ。好調イングランドであっても、油断すると痛い目に遭う。

なんとなく緩い。試合の主導権を握っているとはいえ、チーム全体のテンションが低い。イングランド “あるある” ともいうべき悪い流れだ。プレー強度が上がらず、パスがつながっているだけで、ハンガリーDF陣を脅かすような質ではない。

しかし、後半になるとイングランドのテンションが上がった。50分、カイル・ウォーカーがラブリーな楔を前線に配する。受けたハリー・ケインは珍しくシュートミスを犯したが、このプレーが呼び水となり、イングランドは本来の姿を取り戻していった。

ジャック・グリーリッシュが速度もコースも申し分ないシルキータッチのパスでチャンスを創出し、デクラン・ライスとカルヴィン・フィリップスは中盤を完全にコントロール。55分にラヒーム・スターリング、63分にケイン、6分後にはハリー・マグァイア、さらに87分にライスもゴールを決め、ハンガリーを4-0で退けている。

終わってみれば楽勝だった。なにしろGKジョナサン・ピックフォードのセーブ数は、わずかに1回しかなかったのだから……。

主力投入で一気にギアが

2021-0906-england_lingard

ハンガリー戦から中三日、本拠ウェンブリーにアンドラを迎えた一戦も、イングランドのGKには見せ場がなかった。ピックフォードに代わって先発したサム・ジョンストンは、「GKの視線」と題した生配信も可能なほど暇だった。セーブ数はゼロ。イングランド守備陣は退屈だったに違いない。

【シュート本数】20:1

【枠内シュート数】6:1

【ボール支配率】88.1%:11.9%

【パス成功率】91%:31%

データもイングランドの圧倒的優位を示している。ただ、ハンガリー戦に続いてテンションが低い。

アンドラのような小国との一戦は、強国にとって難しいシチュエーションだ。勝って当たり前。試合内容とともに大差の勝利を求められるが、アンドラが相手でもドイツ、イタリア、ベルギー、フランス、あるいはブラジルやアルゼンチンを向こうにまわしたときのモチベーションを維持せよ――は、無理なリクエストである。

ジョーダン・ヘンダーソンは数多くボールを触ったものの、単調なロングフィードが多すぎた。アンドラが築く4+5のブロックを崩す動きが、チーム全体にもない。

ガレス・サウスゲイト監督の期待に応えたのは、積極的なチャレンジを繰り返したジュード・ベリンガム、最終ラインの裏に抜け出したり、サイドに流れたり、ボールを引きだすことに腐心したジェシー・リンガードだけだ。

ハンガリー戦から先発をすべて入れ替えた、いうなればテストは失敗といって差し支えない。

中盤3センターの一角に起用されたトレント=アレクサンダー・アーノルドも、だれもが認める右足の精度が披露されるシーンは、後半になって本来の右サイドバックに落ち着いてからだった。

62分、ケイン、グリーリッシュ、メイソン・マウントといった主力が投入されると一気にギアが上がり、ハンガリー戦に続く4-0の圧勝[編集部・注/得点者はリンガード(18、78分)、ケイン(72分/PK)、ブカヨ・サカ(85分/写真)]。

これで5戦全勝となった。次節で勝利を収めれば、イングランドのワールドカップ出場がほぼほぼ決定する。

開始早々から畳みかけてもいい

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したがって9日のポーランド戦(アウェー)は、主力が先発する公算が大きい。アンドラ戦でサウスゲイト監督の信頼を勝ちえたはずのベリンガムとリンガードも、十中八九バックアップ要員だ。ゲーム勘が戻っていないヘンダーソンが、フィリップスとライスを抑えてラインアップに顔を連ねるとは思えない。

ポーランドのロベルト・レヴァンドフスキは要注意といっても、彼らは攻守の切り替えが鈍い。イングランドはハンガリー戦、アンドラ戦に続く大勝も可能なのだから、テンションの低い時間帯をダラダラ続けず、バッサリ片づける積極的なゲームプランも悪くない。

アウェーだとしても、現在の彼らなら試合開始早々から畳みかけてもいいだろう。

EURO2020でイングランド史上最高の準優勝まで到達し、今予選ではグループIで圧倒的な優位に立つ。その先に見据えるのはワールドカップ優勝だ。高みを極めるためにも、ポーランド戦は極上のパフォーマンスで、格別の勝利を――。

FIFAワールドカップ欧州予選

グループI 順位(第5節終了現在)

  • 1位|イングランド 勝点15
  • 2位|ポーランド 勝点10
  • 3位|アルバニア 勝点9
  • 4位|ハンガリー 勝点7
  • 5位|アンドラ 勝点3
  • 6位|サンマリノ 勝点0

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

配信情報

FIFAワールドカップ欧州予選 グループI
ポーランド対イングランド

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:日本時間9月9日(木)3:45
  • 実況:野村明弘
  • 会場:ワルシャワ国立競技場

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