【2021のヒーローになれ】「評価されるのは点を取ったか取っていないか」。生粋の点取り屋・呉屋大翔の視線の先にあるのはゴールのみ｜柏レイソル

ゴールを決め続けることで証明してきた自身の存在

いまどき、これほどまでにはっきりとゴールへの意欲を前面に押し出し、プレーの一つひとつがゴールを奪うための逆算から成り立っている選手は珍しいかもしれない。

その生き様はサッカーを始めた頃にすでに形成されていた。

「自分は小さい頃からFWをやっていてゴールで評価されてきた人間。逆にそこで結果を残せなかったら価値のない人間だと思っている」

呉屋大翔はボールを蹴り始めた時からゴールを決め続けることで自身の存在を証明してきた。それはプロになってからも変わらない。

現代サッカーでは、FWにもゴールを奪うこと以外に前線からの守備やビルドアップに関わることなど多くの仕事を求められる。だが、結局ストライカーとしての価値が現れるのはネットを揺らしたどうか。そのことを呉屋は誰よりも理解し、自らに要求し続けている。

「時代、時代でFWにはいろいろなことを求められるし、それをやらないといけないと分かっている。だけど、どの監督も最後にFWを1番評価するのは点を取ったか取っていないか。それなら僕はゴールを取ることにこだわり続ける選手生活を過ごしたい。ゴールを取ることでお金をもらっているくらいの気持ちでやっているので、取れなかったら評価されないことと一緒だと思っている」

だから、ゴールを決めたいというオーラを常に放出し、どんなゴールでも決めれば全身で喜びを表現する。そんな呉屋を見ていれば、ゴールを奪うために最も大事にしていることに「気持ち」を挙げるのも納得である。

「点を取るために1番大事にしているのは気持ちや欲望。なかなか上手く言葉では説明できないけど、全部の動きからゴールを取りたいという欲がにじみ出るくらい、強い気持ちを持ってプレーすることが大事」

「FWとしてゴールを決めることに責任を背負わないと」

そしてもう1つ、「気持ち」と同じくらい、点を取るために大切にしていることがある。それは「逃げない」ことだ。

「プロになって最初は得点を取れなかったので、そのときは確かに苦しかった。サッカーをしていてもあまり楽しくない時期が続いて、ゴールから逃げているじゃないけど、ゴールではないところで評価されようとしていた。でも、FWならそれはダメだと思い、そこから逃げないことをずっと意識している。FWとしてゴールを決めることに責任を背負わないといけない」

20試合4得点と、昨季の数字にはまったく納得していない。しかし、昨季に得たのは課題ではなく教訓。ピッチに立たなければ得点は取れないことを学んだ。

それは見方を変えると、出場時間を増やすことができれば、それに比例してゴール数を伸ばしていける自信があることの裏返しでもある。加入2年目の今季、味方との連携も深まり確かな手応えはつかんでいる。

昨季のリーグMVPであり得点王であるFWオルンガが抜けたことを心配する声は呉屋の耳にも入っている。それでも生粋の点取り屋は意に介さない。

「点を取ることで評価は覆せる」

呉屋の視線はゴールだけを見つめている。

文・須賀大輔

1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。これまで柏レイソルや横浜FCの番記者を担当し、現在、ELGOLAZOではFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務める。

柏レイソルの試合日程

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信！今すぐ下の記事をチェックしよう。

● 【番組表】直近の注目コンテンツは？
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは？