清水エスパルスにリーグ戦10試合ぶりの勝利をもたらしたのはロティーナ監督の申し子であった。
2点のリードで迎えた後半早々49分のCKの場面、キッカーMF中村慶太のボールに飛び込んだのはMF片山瑛一。少しタイミングがズレたハーフバウンドのボールを味方と重なり、相手が視界に入る中で右足をコンパクトに振りダメ押しとなる3点目を奪った。
「ちょっとやろうとしていたタイミングや呼吸は合わずイメージと違った。でもそこで中との駆け引きに切り替えて、合わせるのは難しいと感じたが、力を抜いて合わせたらゴール方向に飛んでくれた」
片山にとってこれが移籍後初ゴール。本来の狙いとは異なる形ながらも奪ったゴールを冷静に振り返った。
片山は今季、ロティーナ監督に引き抜かれる形でセレッソ大阪から清水に共にやってきた。そこで“ロティーナ流”の体現者として開幕からリーグ戦3試合連続で左SBとしてフル出場。1勝1分1敗と悪くないスタートに貢献した。しかしその後、練習中に右ハムストリングの肉離れを発症。約2か月の離脱を余儀なくされた。その期間、チームはわずか1勝と白星に恵まれず低迷の日々が続いた。
ようやく復帰を果たしたのは5月9日の第13節・横浜FC戦、途中出場ながらピッチに戻ってきた。そして、第15節・北海道コンサドーレ札幌戦では加入後初めてとなる3バックの左としてフル出場。続く今節・FC東京戦ではこちらも初となる右サイドハーフに入り、チームをけん引した。
これには指揮官も頬を緩ませ「瑛一はC大阪時代から一緒で複数のポジションで高いレベルでプレーできる選手。右でも左でもポリバレントに高いパフォーマンを出せるので、われわれにとって瑛一がいない2ヶ月は複数のポジションで選手を失うような感覚でした」と改めて厚い信頼を寄せた。
「本当に苦しい試合が続いていてファン・サポーターにも残念な思いをさせていたと思うので、この1勝でクラブ全体が盛り上がっていければ」と片山。最終ラインから前線まで様々なポジションを高次元でこなし、このサッカーのイロハを知る“ミスター・ユーティリティー”がロティーナ・エスパルスの浮上のキーマンになりそうな予感だ。
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