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【2021のヒーローを探せ】首位攻防2連敗の名古屋に見えた光。森下龍矢は再浮上の起爆剤となれるか | Jリーグ

【2021のヒーローを探せ】首位攻防2連敗の名古屋に見えた光。森下龍矢は再浮上の起爆剤となれるか | JリーグDAZN
【国内サッカー ミニコラム】Jリーグが発表した「2021のヒーローになれ」というキーワードをもとに、今季のJリーグにおけるヒーローを探すシリーズ。各試合で活躍した選手たちを紹介する。今回は名古屋グランパスが2-3で敗戦した川崎フロンターレ戦で、印象的な活躍を見せた名古屋のDF森下龍矢をピックアップした。
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0-3。等々力陸上競技場で行われた首位・川崎Fと2位・名古屋の天王山2戦目は、59分の時点で試合の大勢がほとんど決まってしまった。

しかし、その中で1人の男が流れを変えた。

GKとDFの連係ミスからオウンゴールで3失点目を喫した直後、ピッチに立った森下は意気消沈のチームを盛り立てようとファーストプレーから気持ちを前面に出したプレーを見せる。その姿勢からは「諦めるのはまだ早い」と言わんばかりの気迫を感じた。

71分には自陣からドリブルでボールを前進させ、相手にカットされながらもスローインを得ると、大きなアクションで味方ベンチにボールを要求。その直後の飲水タイムでは「行こう、行こう、行こう」と誰よりも大きな声を挙げながら両手を叩きチームを鼓舞した。

そして73分、反撃の狼煙を上げるゴールを演出する。右サイドをトップスピードで一気に駆け上がりFWマテウスからのボールを引き出してマイナス方向へクロス。MF稲垣祥のシュートが決まった瞬間、左胸のエンブレムを叩き雄叫びをあげた。

ゴールネットを揺らした稲垣はこのシーンを振り返り「あのパスをくれれば決められる自信はある」としながらも、それ以上にアシストした森下を称賛した。

「自分のゴールよりも森下のオーバーラップからのクロスを褒めてあげてほしい。彼が入ったことでポジティブな要素が出ました。彼のような勢いをもたらせるプレーヤーがいることは励みになり、今後に向けても明るい材料になる」

結果としては名古屋の反撃があと1歩及ばず敗戦。勝点差も9に開いてしまった。ただ、まだまだシーズンの約3分の1が終わったに過ぎない。

リーグ優勝のために大型補強を敢行した今季の名古屋において、他クラブから加入した選手の中で森下は唯一、リーグ戦での先発出場が1度もなく、ここまでたった61分のプレー時間に留まっている。だが、明るくポジティブなキャラクターはチームに新しい風を吹かせてくれるに違いない。気持ち溢れる背番号17がチームを再浮上させるきっかけをもたらしてくれると期待したくなるようなパフォーマンスであった。

森下龍矢(1997年4月11日生まれ)

年度チームDiv得点出場
2021名古屋J102
2020鳥栖J1333

文・須賀大輔

1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOではこれまで柏レイソル、横浜FC、SC相模原を取材し、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。

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