20代最後の日を素晴らしい形で締めくくった。
誰もが待ちに待った瞬間は51分に訪れる。カウンターに出た大宮はパスをつなぎ右サイドを突破。ゴール前に走り込んでいた菊地は、同い年のDF馬渡和彰からの優しいラストパスを冷静に左足で流し込んだ。
今季初ゴールに「カズ(馬渡)がスーパーなパスをくれたので、GKを見る余裕もあったし、落ちついて決められた」と仲間への感謝を忘れなかった菊地だが、チームメイトたちはこの男の一発を待ち望んでいた。
8月25日の第27節・松本山雅戦から先発に定着した背番号9は「FW兼ボランチ」と自らの役割を理解しながら攻守に奔走。ポジションにとらわれることなくボールがあるところに顔を出し、誰よりもチームのために走っていた。その献身性をチームメイトの誰もが認めており、存在感の大きさをそれぞれが言葉にする。
「シュンくんは顔を出してほしいところに顔を出してくれて、守備でも自分を追い越してプレスを掛けてくれている。得点の起点になっていることが多いので、シュンくん自身がゴールを取ったら報われるというか、すごく嬉しいので早く見たいですね」(河田篤秀)
「シュンくんの存在が自分としては大きい。攻撃でも守備でもハードワークできるし、得点はまだないけど、それ以外の役割での貢献がすごくある。他の選手が結果を残せているのは、シュンくんのプレーが効いているからだと思う」(小島幹敏)
「派手さがないプレーに見えるけど、シュンくんは自分たちからしたらすごく助かるプレーをしてくれている。トップ下だからもっと結果で見せて欲しいと周りは思うかもしれないけど、毎試合、チームとしてはすごく助けてもらっている」(黒川淳史)
そんな“信頼の男”にようやく生まれたゴールは、6ポイントゲームを制する決勝点。ゴールが決まった瞬間、全員が待っていましたと言わんばかりに菊地のもとに駆け寄った。
「河田が決めたんじゃないかというくらい河田が喜んでくれていたので嬉しかった(笑)。それに、ミカさん(三門雄大)や(南)雄太さんも『やっと取れたな』と言ってくれた」
最高の幕開けで節目を迎えた菊地は、30歳になっても信頼とゴールを積み上げていく。
文・須賀大輔
1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOではこれまで柏レイソル、横浜FC、SC相模原を取材し、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?