ナポリで2シーズン目を迎えたスパレッティは、故郷のトスカーナで家族とともにアグリツーリズムの施設を経営。オフシーズンには、自然の中でダチョウや馬、アルパカなどの動物に囲まれて暮らしている。そんなナポリ指揮官が『ダゾーン・イタリア』の「Linea Diletta」シリーズに登場。トスカーナの自宅でインタビューに応じてくれた。
ローマやゼニト、インテルなどでの指揮を経て、昨夏にナポリの指揮官に就任したスパレッティ。長いキャリアで数々のスター選手に出会い、自宅にはディエゴ・マラドーナやデイヴィッド・ベッカム、ガブリエル・バティストゥータなど、ワールドサッカーの歴史を彩った偉大な選手たちのユニフォームコレクションを所蔵し、“ユニフォームの神殿”と呼ばれている。
「私は選手たちが大好きで、片時も目を離さないほどだよ。一番愛着のあるユニフォーム? この(ダニエレ)デ・ロッシのとか、(モハメド)サラーのだろうか。それにもはや“元ナポリの選手”になってしまった(カリドゥ)クリバリのもね」
真実と異なるトッティの引退騒動
過去を振り返れば、「自慢できる教え子たちが何人もいる」と胸を張るスパレッティ。その中の1人が元ローマの主将フランチェスコ・トッティだった。当時は確執が報じられ、トッティを2017年の現役引退へと追い込んだとされてきたが、ナポリ指揮官は真相を明かした。
「(今夏ナポリを退団したロレンツォ)インシーニェや(元インテルのマウロ)イカルディ、トッティなど、チームの主将と馬が合わないって? 現場にいた者なら、私が愛情を注いでいたことも分かっているはず。彼らには、他の選手たちには与えなかったものを与えたつもりだし、私が『追い出した』と言われるのは不快だ」
「まったく真実と異なる。トッティが引退した時、私が翌シーズンからいなくなることは誰もが知っていた。だから現役を続けさせることはできたはずだ」
「トッティのユニフォームは全種類持っている。彼はパーソナリティがあり、チームに寄与していた選手であり、私にとって重要な存在だった。過去を振り返ってみても、私にとってすべてが明確だ。何かを変えようとすれば、メッセージが間違った形で伝わってしまうことはあるということ」
「あの時のチームには、(セイドゥ)ケイタやマイコン、(ケヴィン)ストロートマン、(ラジャ)ナインゴラン、デ・ロッシといった選手たちが所属していた。正しい選択をしなければ、選手たちが私についてきてくれなかったはずだ。仮に私がローマにおいて、トッティのことで他の選手たちに間違った態度を取ってしまったら、あのシーズン、ナポリを抜いて2位で終えることは不可能だった」
「私は教え子のことが大好きになってしまうタイプ。先ほど見せたように、トッティのシャツは全部持っているほどで、彼とは素晴らしい関係を築いていた。それだけに、あの時は私にとっても残念だった。テレビで見るような選手たちと一緒にロッカールームやベンチで過ごすなんて、私にとって子どもの頃からの夢だったくらいだからね」
(C)Getty Images
減量のために髪までカットしたピサーロ
また元ローマ指揮官は、元チリ代表MFダビド・ピサーロの減量の際のエピソードを明かした。
「選手の体重に関してルールを導入すれば、体重オーバーの選手を罰しなければならない。ピサーロは体重計に乗る前、少しでも軽くするために身に着けていた物をすべて外し、さらには髪の毛までカットしていた。それから体重計に乗ると規定をクリアしていたので、みんなが喜んだ」
「すると彼は自分のロッカーへ行き、お菓子を取り出して食べ始めたんだ。『僕は体重をクリアしたのだから、何をしてもいいんだ』ってね。あの時はからかわれた気分になったよ」
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