議論になったシーンは後半早々の46分に訪れる。
鹿島アントラーズが左サイドから攻撃し、左SBの広瀬陸斗が右足で入れたクロスボールをファーサイドで待ち受けていた鈴木優磨がコントロールする準備にかかる。しかし、その直前で川崎フロンターレの左SB登里享平がクリアを試みると、流れて来たボールを鈴木は上手く処理できずラインを割ってしまった。
ここで議論の対象として挙げられるのはクロスボールをクリアしようとした登里の左腕にボールが当たっているかどうか。鈴木はハンドをアピールしているが佐藤隆治主審は笛を吹くことなく、川崎Fのゴールキックでゲームは再開。様々な角度からの映像を見返しても“ハンドの確証”を得るモノはなく、意見が分かれる形となった。
最初に意見を述べた平畠氏は「確かに(登里の)手は出ているけどノーハンドだと思う」と主張し、「結局、よく見ないと分からない。ボールにかすっているかどうかを探しにいくくらい際どいとなるとノーハンド」と理由を説明した。
続いて答えた石川直宏氏は「当たったか当たっていないかで言えば当たっていると思うからハンドだと思う」と主張。「(鈴木に届く直前で)ボールの軌道が若干変わっている気がする」との理由に加え、「相手が視界に入りながらボールをコントロールすることは難しい。鈴木選手はボールの軌道を確認する視界の中に登里選手がいるので、たぶん、いろいろな予想をしながら次のプレーを考えていたと思うけど、その手が邪魔にはなっていると思うので当たっているのであればハンドだと思う」と選手目線の意見を続けて話した。
また、その一方で石川氏は、登里の左腕の動かし方が紛らわしいという声に対しては「バランスを取るためと、相手との距離を測ったりブロックしたりするための手だと思う」と予測。「手のひらも外側に向いているので相手を触る意味もあったと思う」と考えを明かした。
2人の意見を聞いて審判ゲストの深野氏は「何回も映像を見ました」と際どい判定であることを認めつつ、「ハンドかどうか分からないという状況ではハンドとは言えないし、VARもこういう状況は介入できない。“疑わしきは罰せず”ではないけど、きちんとした明白なエビデンスがないということでプレーオンで良かったと思う」と答えた。
では、反対にハンドの判定が下された場合、VARが介入するかどうかに議論が及ぶと、「『(ハンドの)エビデンスがない』と映像を見せるかもしれないし、『手に当たったかも』でプレーオンかもしれない」と深野氏は回答。裏を返せば、当たったという証拠になる映像もないため、どちらにせよ難しい判定であることに変わりはないという結論に至った。
また、この場面での主審とVARのやり取りに関しては「この段階では主審はまだ判断はしていない。主審は『ポッシブルハンドボール』とVARに伝えていて、そのエビデンスをVARが探して、『明らかな映像は探せなかった』として、結果的にノーハンドでプレーオンになったと思います」と深野氏は説明した。
2点のビハインドを追いかける鹿島に訪れた後半最初のチャンスのシーンだっただけに、ゲームに多少なりとも影響を与えたことは間違いないだろう。もしかすると、この試合の流れを決めるターニングポイントの場面だったかもしれない。
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