“声”で始まり、“歌”で終わった浦和の夜。浦和レッズにとって初めて声出し応援が認められたこの試合で、その声が、その歌が、スタジアムを劇場と化した。
ゴール裏のサポーターが作り出す演出も見事であった。いまか、いまかと待ちわびるこちらの思いを見透かすかのように、選手がウォーミングアップに出て来たときも、両チームの選手紹介時も聞こえてくるのは大きな拍手と特大のブーイングだけ。あえて、第一声を取っておくことでボルテージを高めているように感じた。
そして、そのときは試合直前にようやく訪れた。両チームの選手がウォーミングアップを終え、ピッチ上に誰一人おらず、あとは選手の入場を待つだけの中、突如、その静寂が切り裂かれる。地響きのように轟く『浦和レッズ』コール。一瞬にして、埼スタが日常を取り戻した瞬間の光景には鳥肌が立ち、感動を覚えた。
もうそこからは、これぞ埼スタの雰囲気。試合の状況に応じながら、お馴染みのチャントやコールが歌われ、選手の背中を後押し。先制点と2点目を決めたのが、アカデミー育ちの伊藤敦樹であったこともこの日に限っては偶然ではない気がした。
3-0で勝利し準決勝進出を決めた後は、スタジアムをゆっくりと一周すると、そのままロッカールームに引き上げるのではなく、コロナ前の埼スタを知る西川周作や岩波拓也が音頭を取り、ピッチ中央へ集結。肩を組み、『We are Diamonds』をサポーターと一緒に歌う景色は爽快であった。
これこそが、浦和ファンが、そして、Jリーグファンが待ちわびていた光景と言っていいだろう。来週には同じく埼玉スタジアムでACL・ラウンド16のジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)戦が行われる。引き続き、声出し応援が認められた中でのゲーム。次は、アジアに浦和レッズの声と歌を響き渡らせる。
関連記事
● 劇的なゴールでC大阪が川崎Fを破って準決勝進出。広島、福岡、浦和もベスト4入り | 8月10日結果まとめ | JリーグYBCルヴァンカップ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?