まさに激闘の言葉が相応しい90分であった。上位対決となった柏レイソルとサンフレッチェ広島の一戦は、アウェイの広島が3-2で勝利。白熱のシーソーゲームを制した。
試合後、先に会見場に姿を表したミヒャエル・スキッベ監督が、「技術的にも戦術的にもすごく魅力的な試合でした。Jリーグの中でも魅力的なサッカーができたと思っています」と勝利を喜ぶよりも先に試合内容を称えれば、敗れた柏のネルシーニョ監督も「非常にきっ抗したゲーム内容だったと見ています。技術的な部分も戦術的な部分もまったく劣っていたと思わないです」とコメント。経験豊富な両指揮官は、結果以上に内容に手応えを得た様子であった。
その言葉どおり、この日のピッチ上では運動量、切り替え、球際の厳しさといった、お互いのよさがぶつかり合っていた。
さい先よく、セットプレーから先制したのは広島であったが、4連勝中の柏はまったく動じない。先制を許した後はゲームの主導権を握り、ハイプレスとショートカウンターで相手を押し込みラインを下げると、ボールを握りながら攻め込む時間も増やしていく。
そして41分には鮮やかな崩しから同点に追い付く。ゴール前で椎橋慧也、小屋松知哉とつなぎ、最後は武藤雄樹が仕上げた。さらに後半早々には素早い攻撃から逆転。右サイドを駆け上がってきた川口尚紀の低いクロスが相手のオウンゴールを誘った。
ただ、ここから目立ったのは、柏の勢いではなく広島の意地と執念。7月の終わりからリーグ戦とカップ戦を合わせて5連戦を戦い、その5試合目を迎えていた広島が“2つの初ゴール”でひっくり返す。
逆転されたことを引きずることなく両サイドを起点に反撃に出ると、61分にまずは左サイドの柏好文を起点にドウグラス・ヴィエイラが粘り、松本泰志が渾身のミドルシュート。今季、飛躍のときを迎えたボランチのJ1初ゴールで追い付いた。さらにその6分後には逆転ゴールが生まれる。今度は右サイドでボールを受けた藤井智也が縦を警戒されていると感じ、中に切り返し左足でクロス。このボールがそのままゴールに吸い込まれ、今季初ゴールが決勝点となった。
両チームが死力を尽くした真夏の大熱戦の終了後に待っていたのはファン・サポーターからの大きな拍手。スタジアム全体が両チームの選手たちを称えた。
降格候補に挙げられることも多かった柏と新監督就任1年目の広島。両者の開幕前の前評判は決して高くなかった。ただ、それはあくまでも開幕前の予想に過ぎず、シーズン3分の2を終えた時点では柏が3位で広島は5位。これが現実である。この日、観る者を魅了したネルシーニョ・レイソルとスキッベ・サンフレッチェが、J1リーグの終盤戦でもう一波乱、二波乱起こしてくれる予感がした。
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