ミランは今シーズン、セリエAにおいて14ポイントを獲得。アタランタおよびナポリと並んで先頭を走る一方、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)においても2試合を消化して4ポイントでグループEの首位に立つ。過密日程や負傷者に苦しむ中で幸先の良いスタートを切ったミランは日本時間19日、サンシーロにおいてナポリとの大勝負を迎える。
ピオリのチームにとって、アタランタ戦(1-1)およびインテルとのミラノダービー(3-2でミランが勝利)に続く、今シーズン3戦目のビッグマッチとなる。だが今回、ミランの布陣において最も予測不能なプレーを見せてきたFWラファエウ・レオンが出場停止により欠場。これまでとは違う複雑な試練に立ち向かわなければならない。
(C)Getty Images
唯一無二のレオンの不在
重要な選手の不在を補完する能力は、ビッグクラブの強みの1つと言える。ミランはスクデットを獲得した昨シーズン、セリエAの他のどのチームよりもその能力を発揮してきた。だがそんなチームの苦境においても、常に頼れる存在だったのが背番号17番のラファエウ・レオンだった。
非常に高いレベルのパフォーマンスを示し、たった1人で対戦相手の戦術プランをかき回してきたポルトガル代表FW。相手チームはレオンに対するマークを1人、2人と増やさざるを得ず、こうしてピッチの他のエリアでフリーのスペースを確保することができた。
だが今回、ポルトガル代表FWに加えて代替オプションとなるはずのFWアンテ・レビッチやFWディヴォック・オリギも起用できない。ピオリはナポリ戦において、かつてないほどに新たな試みをへと踏み出すことを迫られている。Getty
一か八かの賭けになる3バック
冒険好きや戦略家なら3バックへのシステム変更は好奇心をそそられるはずだ。ピオリは、サンプドリア戦で数的不利に陥った際に3バックを敷き、まるで2本の矢のようにDFテオ・エルナンデスおよびDFダヴィデ・カラブリアを使って相手のスペースを攻撃することで、試合を制した。
記者会見に出席したミラン指揮官は、ミラネッロにおいて3バックの練習に取り組んでいるかどうかについて否定はしていない。だが、ナポリとの極めて重要な一戦において、試合開始からの採用するとなると、一か八かの賭けになるだろう。
それでも前線に欠場者がいることを踏まえれば、非常に明確で理にかなった解決策と言える。DFシモン・ケアーが統率する守備陣の厚みを増すことにより、サイドの2人を守備の仕事から解放できる。そうなれば、両サイドにDFセルジーニョ・デストとテオを並べるリスクを負うこともできるはずだ。
中盤にはプレーの舵を取り、運動量を保証できるMFサンドロ・トナーリとMFイスマエル・ベナセル。トップ下にはMFシャルレ・デ・ケテラーレ、前線の1トップにはFWオリヴィエ・ジルーを置く。これはファンタジーに過ぎないだろうか。いや、そうとも言い切れないはずだ。
ミラン黄金期のクリスマスツリー
ピオリが採用する確率が最も高いのは、これまで通りの4-2-3-1の両ウィングにMFアレクシス・サレマーカーズとFWジュニオール・メッシアスを起用する布陣であることは言うまでもない。だがサンシーロにおいて、黄金期ミランを率いたカルロ・アンチェロッティのクリスマスツリーが再現される可能性も残されている。
中盤において数的有利を作り出すことで、サイドに空いたスペースで脅威となり得るナポリのMFフヴィチャ・クヴァラツヘリアやMFピオトル・ジエリンスキに対するパス供給を封じることができるはずだ。
現在のミランにも、このシステムを支えることのできる選手たちは揃っている。クリスマスツリーの中盤の3枚には、トナーリおよびベナセル、さらにMFトンマーゾ・ポベガまたはMFラデ・クルニッチのどちらかを起用すれば良いだろう。
そしてトップ下の2枚にはデ・ケテラーレと、そのパートナーとしてメッシアス、MFヤシーヌ・アドリ、MFブライム・ディアスの中から1人を選ぶことになる。最後にクリスマスツリーの頂点を飾るのは、もちろんビッグマッチにおいて不可欠なFWオリヴィエ・ジルーだ。
文・マックス・クリスティーナ/『ダゾーン・イタリア』記者
放送・配信予定
- ミラン vs ナポリ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2022年9月19日(月)日本時間3:45
- 実況:八塚浩
- 会場:サンシーロ
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