セリエA6試合を終えて2勝4分で8位に沈み、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)においても2連敗スタートとなったユヴェントス。指揮官マッシミリアーノ・アッレグリの解任論が囁かれる中、昇格組のモンツァとの対戦に臨んだ。
だがアッレグリのチームは、監督を交代したばかりの元ミランの名物会長シルヴィオ・ベルルスコーニ氏率いる昇格組を相手に苦戦。40分にはディ・マリアが王者らしからぬ肘打ちで一発退場となり、10人での戦いを強いられた。するとユーヴェは、74分に先制点を奪われ、モンツァに1-0での歴史的セリエA初勝利を献上した。
資格停止中のアッレグリの代わりに『DAZN(ダゾーン)』のインタビューに応じたアシスタントコーチのマルコ・ランドゥッチは、「ディ・マリアは(アルマンド)イッツォに悩まされていた。彼はこうした戦略を取るタイプの選手だ」と指摘。アルゼンチン代表MFを擁護した一方、「退場が試合に影響を及ぼした」と述べ、レッドカードによりゲームプランが狂ったことを示唆した。
ディ・マリアも試合終了後、自身のインスタグラムを更新して自身のプレーを謝罪した。
「ピッチにおいて不適切な反応をしてしまったことを、みんなに謝罪したい。リーグ戦のこれほど難しい時に、チームを1人少ない状態にしてしまい、試合に負けさせてしまった。すべて僕の責任だ。本当に残念に思っている。僕はプロフェッショナルであると同時に、ミスを犯してもそれを認められる人間でもある」
元セリエA審判員で弁護士のルカ・マレッリ氏は、『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」において、ディ・マリアの暴挙に対する判定を解説した。
「これは(主審のファビオ)マレスカが素晴らしかった。判定するにあたってこれ以上ない適切なポジションを取っていた。イッツォからプレッシャーを受けたディ・マリアは、相手の胸へ意図的に肘打ちをしている。退場処分は適切だ」
「競技規則では“乱暴な行為”にあたる。このケースでは、2試合またはそれ以上の出場停止が科される。処分が2試合よりも多くなる要素はないように思うが、スポーツ裁判所の決定を待たなければならない」
(C)Getty images
奮起する力が感じられないユヴェントス
「Sunday Night Square」の番組内では、ユヴェントスのパフォーマンスについても解説陣の間で議論が行われた。ミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏は、アッレグリのチームの消極的な姿勢に苦言を呈した。
「今日のパフォーマンスは、直近15年間で最低だった。フィジカル面、技術面で苦戦している部分もあるが、何より逆境を覆そうとする意欲が感じられなかった。苦境の中でも、もう少し違うパフォーマンスを見せることもできるはずだ。私は、ディ・マリアの退場がユヴェントスにとって刺激となり、後半、より果敢なプレーを見せるだろうと考えていた。ところが受け身の姿勢は変わらなかった」
指揮官のために選手たちが死力を尽くすチームがある一方、ユヴェントスでは、アッレグリが欠場者を嘆き続け、ピッチに立つ選手たちに対する配慮を欠いているようにも映る。選手たちの離反も懸念される中、ユヴェントスOBで元指揮官でもあるチーロ・フェラーラ氏が古巣の現状に見解を示した。
「私は選手として監督としてユヴェントスで両方の経験があるから言えるが、ユヴェントスは言い訳をしない方が良い。それは確かなことだ。ユーヴェのようなクラブは、ある程度のレベルを維持しなければならない。当然、現在のような姿勢を見せるべきではないし、『不在の選手がいる』などと言うことは役に立たない」
「欠場者がいても、モンツァに敗れ、サレルニターナに負けそうになったということは、あらゆる議論が生まれることになる。チームが困難に陥っているのは残念だ。もしかしたら奮起する力すらないのかもしれない。試合中も消極的で、そうしたことが結果となって表れる」
「監督交代は狂気だって? マックスは知り合いなので残念だが、すべての指揮官は結果がすべてだ。プロジェクトについて話をするのは素晴らしいが、結果が出なければ、クラブは決断を迫られることになる」
アッレグリ解任なら後任は?
もしアッレグリが解任となった場合、ユヴェントスはどんな指揮官を後任に選ぶのだろうか。番組では、予算などを踏まえた現実的な候補としてOBのパウロ・ソウザおよびU-19指揮官のパオロ・モンテーロ、より理想的候補としてジネディーヌ・ジダン、トーマス・トゥヘル、マウリシオ・ポチェッティーノ、ロベルト・マンチーニを挙げた。
アンブロジーニ氏は「ソウザも現実的ではないように思う。金銭面はともかく、技術的な面を見れば、ジダンの方が良いだろう」と主張。ステファノ・ボルギ記者は、「この中だったら、私はポチェッティーノを推す。彼はピエモンテにルーツを持ち、イタリアでの指揮に前向きな発言もしているからね」との見解を示した。
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