トリノ出身のマルキージオ氏は、下部組織時代から2018年まで25年間にわたってユヴェントスに在籍。現役時代は、地元出身の生え抜きのスターとしてファンに愛された。そんなマルキージオ氏の退団から4年が経過した今年、トリノで新たな若き逸材が頭角を現しつつある。
その選手は、マルキージオ氏と同じピエモンテ州出身でユーヴェ下部組織育ちのU-21イタリア代表MFファビオ・ミレッティ。昨年12月のUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)マルメ戦でトップチームデビューを飾ると、すでに公式戦16試合に出場し1アシストもマークした。
ミレッティは暗いユーヴェにおける朗報
『DAZN(ダゾーン)イタリア』解説者のヴァロン・ベーラミ氏からは「パーソナリティとクオリティを持った選手」と評価を受けたミレッティ。イタリアで“新マルキージオ”として囁かれ始めた19歳MFについて、マルキージオ氏本人が「Festival dello Sport」において見解を示した。元ユーヴェMFは、自身ではなく、現役時代のパヴェル・ネドヴェド副会長を彷彿とさせると主張した。
「ミレッティの台頭は素晴らしい知らせだ。大きなプレッシャーを受けることなく、実力を示せるこうした若者が出てきたことは、ユヴェントスや下部組織だけでなく、イタリアのカルチョにとっても良いことだ。ミレッティの素晴らしいところは、クオリティだけではない。暗い時期にあるユヴェントスにおいて、これほど若い選手が不安を感じることなく、周囲とは違う自由なプレーを見せているところが重要だ」
「監督はより高い位置で彼を起用しており、走っている姿などはパヴェル(ネドヴェド)を想起させる。もちろん、ネドヴェドの技術レベルに追いつくには、かなりの道のりをたどらなければならないだろうが、彼にはピッチのことだけに集中し、これまでのように全力を尽くしてほしい。ようやくユヴェントスの下部組織から出てきた若き才能だ」
本人が選出の“新マルキージオ”は?
ミレッティが“新世代のネドヴェド”であるのなら、セリエAにおける“新マルキージオ”は誰になるのだろうか。するとマルキージオ氏は、インテルの25歳MFニコロ・バレッラおよびサッスオーロの23歳MFダヴィデ・フラッテージの名を挙げた。
「こうした質問を受けるということは、私が年を取ったということだろう。私がキャリアを始めた頃は、マルコ・タルデッリが同じ質問を投げかけられ、『こんな話はやめよう。彼は自身の道を歩まなければならないのだから』と答えていた。私もマルコと同じように感じるよ」
「答えなければならないとしたら…。私とプレーの解釈や動きが似ている大好きな選手が2人いる。ニコロ・バレッラとダヴィデ・フラッテージだ。バレッラはすでにインテルや代表で自身の価値を証明し、ヨーロッパ最強クラスのMFだ」
(C)Getty Images
偉大な才能や王者不在のアッズーリの問題点
元ユーヴェMFは、お気に入りのローマ下部組織出身の逸材に触れる中で、セリエAやイタリアのカルチョを取り巻く問題点を指摘した。
「フラッテージは非常に気に入っている。だが今シーズン、彼がユーヴェとは限らず、ビッグクラブのユニフォームを身にまとってプレーしていないことは残念だ。イタリアには問題がある。イタリア代表に偉大な才能やカンピオーネ(王者)がいないと嘆かれているが、イタリアのビッグクラブは、国内にいる最高の逸材に賭け、チャンスを与えることがほとんどないように見える」
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「ミレッティにはチャンスが与えられたが、フラッテージはまだだし、(ジャンルカ)スカマッカはイタリアでチャンスが与えられずにプレミアリーグへ移籍した。だがイタリア人選手に囲まれたユーヴェやミラン、インテルなどのビッグクラブでカップ戦に出場させた方が、国際舞台での成長がより容易であるように思う」
「そして選手たちはその後、イタリア代表のユニフォームを身にまとうようにもなる。ところがそのチャンスがあまりない。国外で評判の良い選手たちを連れてきては、イタリアで本来の実力を発揮できないで終わることが多々ある」
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