クラブのバンディエラであるマルディーニTDや指揮官ステファノ・ピオリの貢献により、長らく続いていた低迷期から脱出したミラン。昨シーズンはFWラファエウ・レオンやMFサンドロ・トナーリら若き逸材が躍動し、11年ぶり19回目となるスクデット獲得を果たした。マルディーニTDは25日、「Festival dello Sport」の席において、名門クラブの復活劇を振り返った。
「私がミランと契約した時、チームは苦境にあった。私自身、自分の準備ができていると感じていたわけでも、適任だと思っていたわけでもなかった。2018年にここへやって来た当時は、まだディレクターの職についてもよく分かっていなかったが、(当時ミラン幹部だった)レオナルドからカルチョに限らず人生についても本当にいろんなことを教えてもらった」
「素晴らしい3年間だった。このプロジェクトは、クラブやサポーターに最高の満足感を与えることができた。現役時代とは違うが、非常に重要なスクデットだった」
全員が主役を演じたスクデット
そのスクデットを引き寄せたのは、ライバルであるインテルとの2月のミラノダービーだった。ミランはベテランFWオリヴィエ・ジルーのドッピエッタ(1試合2得点)により2-1と逆転勝利を収めた。
「ジルーはカンピオーネ(王者)、それにつきる。ワールドカップで優勝経験のあるフランス代表選手であり、模範的なプロフェッショナルだ。王者の主な特徴とは、謙虚であり、チームのために働く人間であるということだ。加入直後は、ケガの影響があったが、それから本領を発揮し始めたと言えるだろう」
「あのダービーがチャンスであることを、多くの選手たちが分かっていた。夢にたどり着くチャンスであると感じ取り、信じ続けた。そして結果がついてきたんだ」
「カルルの覚醒? あの時はケアーや(アレッシオ)ロマニョーリが不在で、トモリも半月板を手術していた。カルルと(マッテオ)ガッビアのコンビで6~7試合をこなさなければならず、我々は幸運を祈ったよ。だが2人は重要な役割を果たしてくれた」
「昨シーズンのスクデットの素晴らしい所は、選手全員が主役になったところだろう。(チプリアン)タタルシャヌはダービーでPKを阻止し、私の息子ダニエルもスペツィア戦でゴールを挙げ、全員がスクデットに関わっていた。ピオリ監督の素晴らしいリーダーシップもあった」
デ・ケーテラーレはほぼ当たり確定の賭け
さらにマルディーニ氏は、自身の入閣以降、クラブ最高額となる総額3500万ユーロ(約48億円)の移籍金で加わった今夏の補強の目玉、FWシャルレ・デ・ケーテラーレについて語った。
「シャルレの前に、(スフェン)ボットマンを獲得しようとしたが予算オーバーになってしまった。そこで同じポジションの他の選手へとターゲットを変えた。現在のミラノの立ち位置においては、平均的な選手を獲得するべきではない。極めて偉大な将来性を持つ選手を獲得しなければならないんだ」
「シャルレはその1人だった。2001年生まれだが、すでにチャンピオンズリーグ(UCL)において重要なパフォーマンスを見せていた。だが2001年生まれの若者は、ミランのようなクラブで大きな責任を負う準備ができていない。我々はこの点において、支えていかなければならない」
「(ミシェル)プラティニだって、ユヴェントス加入直後の半年間は上手く行かなかったが、それから再び実力を発揮し始めた。我々は若手選手をいかに成長させていくべきかを理解している。若手の発掘は賭けのような部分もあり、毎回、当たるわけではないが、シャルレに関しては疑いが本当にほとんどない」
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テオとは息子のように
続いてマルディーニ氏は過去の補強を振り返り、自らが獲得に動いたDFテオ・エルナンデスとの逸話を明かした。
「私ひとりで獲得に動いた最初の選手は、(ラデ)クルニッチだった。彼とは加入の1年前から合意に達していたんだ。テオについては、最初、レアル・マドリードと話をし、本人には息子に話しかけるように声を掛けた。一部の選手とは、父と子のような関係があると思っている」
「あの年齢の若者たちがどんな困難に向き合うのかは十分に理解している。順風満帆の時もあれば、苦しい時もある。だからこそ、1人の選手に対してと言うより、1人の若者に対してサポートをするつもりでいる」
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