日本時間10月3日に行われたボローニャ戦で3-0と完勝し、1カ月ぶりに白星をつかんだユヴェントス。続いてホームで行われたUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)のマッカビ・ハイファ戦にも快勝したが、安堵もつかの間、ミランとのビッグマッチに0-2と敗れると、敵地でのハイファ戦にも同スコアで敗れ、再びどん底へと突き落とされた。
そんなマッシミリアーノ・アッレグリのチームについて、ユヴェントスOBであり、2009-10シーズンに指揮官を務めた経験も持つチーロ・フェラーラ氏が『ダゾーン・イタリア』の「Supertele」に出演。古巣とミランを比較し、持論を展開した。
「確かにミラン戦後のアッレグリは悲しげに見えた。彼はまだ、解決の糸口を見つけることができていないのだろう。ユヴェントスはミランとの対戦の前に2連勝していたが、相手はいずれも格下のチームだった。一方のミランは今シーズン、(UCLの)チェルシー戦を除いて失敗していない」
「負けたナポリ戦においても、速いリズムでプレーを展開し、チャンスを作り出すなど良いプレーを見せていたチームだ。いずれにせよ、ミランは堅固な組織を持ち、数年前のユヴェントスのように重要な主力選手の欠場でさえ、補うことができる。そこが両チームの違いだ。さらにユヴェントスは、最初の困難に突き当たると姿を消してしまうように見受けられる」
続いて元イタリア代表FWのルカ・トーニ氏は、アッレグリの心境を読み解いた。
「ミラン戦はユヴェントスにとって、転機となり得るチャンスだったが、また後戻りしてしまった。ミラノへ行き、偉大な試合を見せれば、ユヴェントス内でかなりの熱狂が生まれたはずだった。だが負傷者を成績不振の口実にしていたにもかかわらず、同じく負傷者がいるミランに負けたことで、ひどい敗戦になってしまった」
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さらにアンドレア・ピルロ氏の自伝本の共同著者としても知られるイタリア人ジャーナリストのアレッサンドロ・アルチャート氏も凋落するユヴェントスの現状を分析。チームの立て直しは極めて困難であることを示唆した。
「アッレグリの表情からは、チームがメンタル面において、彼が期待しているものとは程遠い状態にあることがうかがえる。だが闘志とは、選手が持っているか、持っていないか、高いのか、低いのかのどちらかであり、指揮官が指導することはできないものだ」
「技術面の問題であれば、トレーニングで改善することができるが、選手の気迫に関して解決策を見つけることは難しい。メンタル面でこれほど明らかに大きな問題を抱えているチームをどうするべきかと頭を抱えているはずだ」
最後にユヴェントスの番記者マッシモ・ザンピーニ氏は、アッレグリのチームの3つの問題点を指摘している。
「1つ目は、最大の問題として、なぜチームが90分間ではなく、15分間ほどしかもたないのかという点。2つ目は個人のミスが多すぎるという点。そして3つ目は、アルチャートも話した通り、チームのパーソナリティが奇妙である点だ。最初の困難で崩れ落ちてしまう。残り時間が十分にあるにも関わらず、試合が決定したかのような雰囲気だ。これではダメだ」
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クオリティの飛躍を果たしたラツィオ
セリエA第9節で難敵フィオレンティーナを敵地で4-0と圧倒し、3位へと浮上したラツィオ。トーニ氏は、マウリツィオ・サッリのチームの快進撃の背景に、MFルイス・アルベルトらを擁する最強の中盤があると指摘する。
「ラツィオの中盤は最強クラスであり、ルイス・アルベルトはイタリアだけでなく、ヨーロッパレベルで最強MFの1人と言える。チーム全体が良いプレーを見せているが、最後はフィオレンティーナ戦のように、個の力で決まるものだ」
一方、フェラーラ氏は、今年のラツィオの強さの秘訣として守備力を挙げている。サッリ指揮下の1年目となった昨シーズンは、リーグ戦9試合を終えて17失点を喫していたラツィオ。ところが今シーズンはわずか5失点にとどまっている。
「ラツィオの違いを作り出しているのは、失点の少なさと言える。そこがサッリによるクオリティの飛躍と言える。ミランから加入した(アレッシオ)ロマニョーリは最高のパフォーマンスを見せており、守備陣全体が非常に良い仕事をしている。こうした功績があったからこそ、ラツィオはUCL出場圏内につけることができているのだろう」
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