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「狂ったほどの潜在力」左サイドの主役、ミランの至宝レオンとナポリの新星クヴァラツヘリアの違いは?パッツィーニ氏ら伊解説陣が分析…ユヴェントスや復調インテルも分析 | セリエA

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「狂ったほどの潜在力」左サイドの主役、ミランの至宝レオンとナポリの新星クヴァラツヘリアの違いは?パッツィーニ氏ら伊解説陣が分析…ユヴェントスや復調インテルも分析 | セリエA(C)Getty images
【欧州・海外サッカーニュース】元イタリア代表のジャンパオロ・パッツィーニ氏やマッシモ・アンブロジーニ氏ら『DAZN(ダゾーン)イタリア』の解説陣が、今シーズン初の3連勝を飾ったミランや、トリノダービーを制したユヴェントスなどに見解を示した。

セリエA第10節では、無敗の首位ナポリと2位アタランタが勝利を収めた一方、5位のミランがヴェローナを敵地で下し、痛み分けとなった上位のラツィオとウディネーゼを追い抜き3位へと浮上した。また合宿を敢行して巻き返しを図るユヴェントスはトリノダービーを制し、インテルはサレルニターナに勝利して2連勝を飾った。

敵地で欧州5大リーグ唯一の無敗ミラン

そんな中、現役時代にインテルやミランで活躍したジャンパオロ・パッツィーニ氏ら『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」に出演。まずは2-1でヴェローナに勝利し、今シーズン初の3連勝を飾った王者ミランに見解を示した。ヴェローナのOBでもあるパッツィーニ氏はこのように分析する。

「複雑な試合となったが、ミランにとって勝つことが重要だった。ヴェローナは積極的で勇気とパーソナリティを示すパフォーマンスで最後までミランを苦しめた。一方のミランは最高のパフォーマンスとは言えなかったが、そのような時でも勝ち点を獲得できたことは好材料だ」

同じくミランOBのマッシモ・アンブロジーニはMFサンドロ・トナーリの決勝点を振り返り、苦しい展開においても勝利の一蹴りを編み出せるミランの強さを指摘した。

「ミランはケガ人が相次いだことで、主力に休養を与える機会もなく、苦戦した。ヴェローナは勇気と決意を持って期待以上のパフォーマンスを見せ、勝てる可能性もあった一方、トナーリが決勝点を決める前に負ける可能性もあった。勝利がどちらに転ぶか分からない拮抗した試合だったと言える。いずれにせよ、ミランは屈することなく、偉大な一蹴りを決めることができた」

ミランは今シーズン、ここまでアウェーにおいて無敗の快進撃を見せるミラン。ヨーロッパ5大リーグにおいて唯一のチームとなっている。元ミランFWは、その背景を分析した。

「ミランは敵地においてより重要なパフォーマンスを見せる特徴を持ったチームだ。ホームのチームは積極的にプレーを仕掛けてくるが、ミランはあまりにも強力なチームであり、そこで生まれたスペース活かして決定力を示すことができる」

続いてパッツィーニ氏は、ミランでセンターフォワードとして起用されているFWオリヴィエ・ジルー、FWアンテ・レビッチ、そしてFWディヴォック・オリギについて見解を示した。

「ジルー、レビッチ、オリギの3人の中で私が好きなのは間違いなくジルーだ。考えてプレーするFWで、チームや仲間のためにならない動きはしない。非常に賢い選手なので大好きだ。一方、オリギはパワーが特徴の選手だが、かなり本能でプレーするところがある。レビッチも強力な選手で、ミランに必要な1プレーを見せ、決定力を示すことができる」

Giroud in Verona-Milan Serie AGetty

ヴラホヴィッチは本物のストライカー

続いて話題は、成績不振から合宿を敢行したユヴェントスに。トリノ戦でも前半をスコアレスのまま折り返すなど、厳しい展開となったが、74分にエースのFWドゥシャン・ヴラホヴィッチが決勝点を挙げて1-0と勝利を収めた。パッツィーニ氏はセルビア代表FWに賛辞を贈った。

「本物のストライカーらしいゴールだ。チャンスを感じ取り、ファーサイドに陣取ってボールが転がってくるのを待ち構えていた。10回中9回は上手く行かないかもしれないが、もしボールが転がって来たら、ストライカーならあの場所にいなければならない」

またピッチリポーターのトンマーゾ・トゥルチ氏は、いらだちを見せたミラン戦とは異なり、ピッチ内外において、ヴラホヴィッチの姿勢に変化が見られたことを指摘している。

「ヴラホヴィッチの振る舞いはミラン戦と比較して非常に良いものだった。試合中、チームメートに拍手を送ったり、鼓舞したり、非保持の場面で相手選手にプレッシャーをかけたり、存在感を示していた」

ベンチへと下がってからも、まるでFWズラタン・イブラヒモヴィッチのようにチームメートたちを鼓舞し続けたヴラホヴィッチ。だがアンブロジーニ氏は、リーダーシップの点において、22歳FWが歩むべき道のりは長いとの見解を示した。

「ヴラホヴィッチは当初から高い意欲を示してきた。だが時にはその高い意欲が混乱をもたらし、激高につながってしまうこともあった。だが昨日は興奮しすぎることもなく、良い姿勢で臨めていた。しかしインテルにおけるラウタロのように純粋なリーダーシップを発揮するようになるには、道のりは長い。ベンチから鼓舞する姿はイブラのよう? 選手として成熟するためには、いかに自身の持つエネルギーを注いでいくかを模索しなければならない」

2022-10-5-vlahovic(C)Getty Images

ユーヴェの困難は続く

UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)のマッカビ・ハイファ戦での敗北後、アンドレア・アニェッリ会長からは、「恥じるべき」との発言も飛び出したユヴェントス。元ミランMFは、ダービーを制したとはいえ、再起にはまだ時間がかかると考えている。

「会長があのように発言しなければならない状況になること自体が奇妙であり、重大だ。ユヴェントスは下降を止めることができたかもしれないが、まだ上昇していない。昨日はピッチでこれまでと異なる何かを表現したとはいえ、ユーヴェの困難はまだ続く。昨日の勝利は下降を止める意味で重要だったが、再起への道のりは長い」

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インテルの復調の背景は?

シモーネ・インザーギ率いるインテルは、ホームでサレルニターナを2-0で退け、リーグ戦2連勝を飾った。ステファノ・ボルギ記者は、改めてUCLバルセロナ戦がインテルにとっての転換点になったことを指摘した。

「インテルはバルセロナ戦で明らかにスイッチが入った。まるで再び戦闘に復帰することを決意したかのようだ。今日は非常に真剣に試合に取り組み、すぐに先制点を挙げることで試合が複雑化して困難に陥るのを回避できた」

ボルギ記者は、インテル復調の要因として、サレルニターナ戦で先制点を挙げたFWラウタロ・マルティネスの存在を挙げた。「ラウタロは不発の時期もあったが、インテンシティを下げたことは一度もない。常にチームをけん引し、チームのために戦い、重要な局面でゴールやアシストを記録した」と称えた。

一方、アンブロジーニ氏は、「インテルにおいて、真っ先に改善すべき点はメンタルだった。小さなミスを犯しただけで緊張感が漂っていた。メンタル面が整えば、技術面について話ができる」との見解を示した。またOBのパッツィーニ氏は、「(アレッサンドロ)バストーニも明かしたように、選手たちが改善への意欲を共有し、正しい形で議論が行われたことが、決定的な転換点になったのだろう。選手たちの姿勢に大きな変化が見られた」と指摘した。

2022-10-16-internazionale-lautaro-martinez(C)Getty images

ナポリの新星クヴァラツヘリアとミランの至宝レオン

今夏にFWロレンツォ・インシーニェの後釜としてナポリに加入し、左サイドで輝きを放つFWフヴィチャ・クヴァラツヘリア。リーグ戦10試合で5ゴール5アシストをマークして首位ナポリの快進撃を支えている。パッツィーニ氏は、そんなジョージア代表FWを絶賛。“セリエAのバロンドール”に選出した。

「彼は常に正しい選択ができる。デュエルを仕掛けるべき時は仕掛け、パスを出すべき時はパスを出し、シュートを狙うべき時はシュートを狙う。これは精神面で高いレベルにある選手であることを意味する。みんなを驚かせ、1試合あたり1ゴールまたは1アシストのペースで記録している。初めてのセリエAでものすごい継続性だ。まだ成長の余地もあり、強力で決定的な選手だ」

2022-09-18-milan-tonali-napoli-kvaratskhelia(C)Getty images

アンブロジーニ氏は、そんなクヴァラツヘリアと、ミランの左サイドで躍動するFWポルトガル代表FWを比較した。

「レオンには計り知れないフィジカルがあり、1対1に挑む際もパワーが感じられる。切り返しの時のパワーは強力で、マッチアップした選手は、急激な方向転換を強いられる。攻撃の際の動きもクヴァラとは異なる上、決定的なプレーに要する労力もレオンの方が少ないはずだ。クヴァラよりもスペースを必要とする? どうだろう。以前よりも敏捷性が増したからね」

続いてパッツィーニ氏も23歳のミランFWに見解を示した。ナポリFWに劣る点として“パフォーマンスの波”を挙げた。

「レオンはまだ、自身の持つ価値に気づいていない。彼は狂ったほどの潜在力を持っている。クヴァラよりも上回るかもしれない。だがそれを分かっていない。今夜も気分が乗った時にだけ相手を抜き去るなど、子ども相手に手加減しながらプレーをしているようだった。できるなら、なぜ1試合に7、8回挑戦しないんだ。破壊的になれるはずなのに波がある」

2022-10-11-milan-rafael-leao(C)Getty images

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