セリエA第13節では、無敗の首位ナポリがアタランタとの上位対決を制してリーグ戦9連勝を飾った一方、ミランはマルディーニ家の3代目FWダニエル・マルディーニのレンタル先スペツィアに勝利を収めて2位へ、ローマダービーでローマを退けたラツィオは3位へと浮上した。さらにイタリアダービーを制したユヴェントスもインテルを追い越して5位へ浮上するなど順位表に大きな変動が見られた。
ダービーはアッレグリの勝利
そんな中、ユヴェントスOBアンドレア・バルザーリ氏ら『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」に出演。アリアンツスタジアムにおいて2-0でユヴェントスの勝利に終わったイタリアダービー(デルビー・ディタリア)を分析した。
ユーヴェOBは、安定した守備で4戦連続クリーンシートを記録したマッシミリアーノ・アッレグリのチームの勝利が、今シーズンのセリエAにおいて強いメッセージになると考えている。
「ユヴェントスはコンパクトさを取り戻し、セリエA最強の守備を見せている。アッレグリが好むような試合を展開しており、今回の勝利は、アッレグリの勝利だと考える。チームは苦しい時間帯があっても90分間にわたって集中力を維持し、勝利を収める。これが彼の勝ち方なんだ」
ラウタロの沈黙
インテルは今シーズン、格下相手に勝利を収めてきた一方、上位8位以内のチームとの対戦に苦戦し、ユヴェントスのほか、ラツィオやローマ、ミランなどとの直接対決に敗れている。バルザーリ氏がそんなシモーネ・インザーギのチームの敗因を分析した。
「今日の試合は、両チームともに相手を躍動させないように注意を払っていた。どちらも高い位置からプレッシャーをかけることはなく、リスクを負わない戦いをしていた。だが後半にユーヴェが先制点を挙げた後、挽回しなければならないインテルはプレーを急ぎ、あせり過ぎたのではないだろうか。そこでユーヴェの守備のクオリティが際立つ形となった。ユーヴェの守備陣は並外れたパフォーマンスを見せていた」
続いてインテルOBのジャンパオロ・パッツィーニ氏も古巣のパフォーマンスに言及したほか、決定機を逃したFWラウタロ・マルティネスに見解を示した。
「インテルにとってはリーグ戦4連勝していた中での敗戦。今後へ反動があるかもしれない。注目のダービーであり、メンタル面において何らかの影を落とすことになるだろう。ただ、インテルもいくつかチャンスを作り出すなど、自分たちのプレーを見せたはずだ。だがエピソードが勝敗を分けたと言える」
「ラウタロが沈黙? どのFWにも波はある。これで公式戦4戦連続無得点になるが、それでも今シーズンは高いパフォーマンスを示している。彼は特にカリスマ性の点で成熟を遂げたように思う。昨シーズンは単純にゴールだけを挙げていたが、今年はチームのリーダーとして、けん引役としての役割もこなしている。FWは得点を求められるものではあるが、ラウタロはパフォーマンスの点で大きく成長しているように見える」
(C)Getty images
美しすぎたナポリの泥臭い試合
シーズン開幕から無敗の快進撃を続けるナポリ。新戦力が躍動するルチアーノ・スパレッティのチームは、2位以下に6ポイント以上の差をつけ、快走を続ける。パッツィーニ氏は、セリエAの新星FWフヴィチャ・クヴァラツヘリアを欠く中で臨んだアタランタとのビッグマッチにおいて、2-1と逆転勝利を収めたナポリに賛辞を贈った。
「私は数週間前に『ナポリは常に美しすぎる。美しすぎて勝利を収めている。だが泥臭い試合も見てみたい』と話した。だがアタランタ戦のような泥臭い試合においても、たとえクヴァラツヘリアが不在であっても、今シーズンの偉業にふさわしいチームであることを証明した。リードを奪われて耐え忍びながらも集中力を失わず、オシムヘンの2度の偉大なプレーで試合をひっくり返した。今年のナポリは、本当に偉業を見せている」
(C)Getty Images
W杯による中断期間は追い風に?
勢いに乗るナポリだが、今シーズンはFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022の開催により、2カ月近くにわたってリーグ戦が中断することになる。中断期間はスパレッティのチームにどんな影響を与えるのだろうか。元インテルFWが見解を示した。
「おそらくスパレッティは、中断期間を喜んでいるだろう。ナポリはセリエA開幕から猛ダッシュでとんでもないペースを維持している。したがってリーグ中断は回復できるチャンスになる。そして来年1月、再び4~5カ月間にわたってスプリントを仕掛けにくるだろう。むしろ中断がなければ、このペースを維持するのは難しかったはずだ。ナポリにとって中断期間は好材料だろう」
続いてバルザーリ氏も中断期間に言及。古巣ユーヴェへの影響について語った。
「アッレグリも中断期間を喜んでいるはずだ。(ポール)ポグバら負傷者の回復を待つことができるからね。しかし今回のワールドカップ(W杯)による影響は誰にとっても未知数だ。代表選手たちがどんな状態でチームに戻ってくるのかも分からない」
王者ミランに疲れ?
前節でトリノにまさかの敗戦を喫した王者ミラン。日本時間6日に行われたスペツィア戦では、21分にDFテオ・エルナンデスのゴールで先制に成功するも、59分にミランからレンタル中のマルディーニに同点弾を許した末、試合終了間際の36歳FWオリヴィエ・ジルーの勝ち越し弾で辛くも2-1で勝利を手にした。ステファノ・ボルギ記者は、ステファノ・ピオリのチームの連戦による疲労を指摘しつつ、現状を分析した。
「トリノ戦もそうだが、スペツィア戦においても、やや疲労が見られたように思う。そうは言っても、ミランは今シーズン、ここまですべての目標を達成している。ザルツブルクという若く本物のチームを4-0で下してチャンピオンズリーグで勝ち進むこともできた」
「リーグ戦では、ナポリの背後につけるが、多くのケガ人を抱えたシーズンにおいて、胸のスクデットに恥じないふさわしいパフォーマンスを見せている。ただ、ミランは唯一、まだ新戦力の躍動が見られていないチームかもしれない。適応に時間が必要であるとはいえ、ピオリががっかりしているということもないだろう」
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