阿部勇樹の阿部勇樹による阿部勇樹のための90分だった。
選手入場時、ゴール裏には『A』、『B』、『E』、『Y』、『U』、『K』、『I』とフラッグが掲げられ、バックスタンド側には『22』と刻まれたビッグフラッグが登場。埼玉スタジアムに駆け付けた24714人のファン・サポーターは、 “最後の勇姿”を観ようとキックオフからタイムアップまで阿部勇樹の一挙手一投足を見逃すまいと視線を注いだ。
前半は『JEF・JAPAN FRIENDS』の一員として青いユニフォームを身にまといピッチに立ち、ボランチの位置からゲームメイクを見せた。ゴール前のこぼれ球に詰めて決めた先制点の場面ではさすがの嗅覚を生かし、惜しくも決まらなかったが直接FKも披露。終了間際には冷静にPKを決め、前半の45分を終えた。
『URAWA ASIAN KINGS』の一員としてお馴染みの赤いジャージを着用した後半は、背番号は22のままで浦和レッズサポーターが数多く陣取るゴールに向かって走り、途中かからは2人の息子もピッチ上に立つ特別な時間を過ごした。
「息子と同じピッチに立たせてもらえて嬉しかった。昨季まで長くプレーさせて頂いた分、一緒にできたと思う。本人たちがあの場でサッカーをしたことでこの先に生かしてくれればうれしいですね」
息子2人との共演直後には長男・湧心くんのCKにヘディングで合わせるチャンスを作れば、ゲーム終盤には右サイドで次男・凉雅くんを交えて親子3人でパス交換。81分に湧心くん、89分に凉雅くんがゴールを決めて迎えた後半アディショナルタイムに、阿部が湧心くんのクロスに頭で合わせ、“ハットトリック”でゲームは幕を閉じた。
最後の90分を終え、阿部勇樹が口にしたのは方々への感謝だった。駆け付けてくれたファン・サポーター。開催に尽力してくれた関係者。協賛してくれたパートナー。そして、「最後に一緒にボールを蹴りたい、追いたいと思ったメンバー」として自ら声をかけ集まってくれた仲間たち。自分に関わるすべての人々に“ありがとう”の気持ちを伝えた。
そんな阿部が締めくくりの言葉として残したのは1つの約束。「プレーする姿はピッチではもうお見せすることはできないと思いますが、また違った姿をこのピッチで見せられるように頑張っていきたいと思います」。いつになるかは分からないが、近い将来、たくさんの思い出が詰まっている埼スタで再会できる日を楽しみに待ちたい。
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