4年に1度のサッカーの祭典がまもなく中東カタールの地で幕を切る。『ダゾーン・イタリア』は、カタールW杯2022の開幕に先駆け、優勝候補の5カ国を予想。リオネル・メッシやパウロ・ディバラを擁するアルゼンチン、ネイマールに代表されるブラジルら南米勢に加えて、キリアン・エムバペを擁するフランスやハリー・ケインがけん引するイングランド、そしてE組で日本と対戦するドイツをリストアップした。
一方、大会のダークホース候補5カ国には、イラン、ポルトガル、セネガル、スペイン、そして開催国のカタールを予想。各国のジャーナリストに協力を仰ぎ、分析を行った。 
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イラン（B組）
カタールW杯において、好成績を収める可能性があるアジア勢と言えば、日本や韓国に加えて、ポルトガル人指揮官カルロス・ケイロス率いるイランを挙げるべきだろう。
B組でイングランドやアメリカ、ウェールズと対戦するイランについて、イラン・スポーツジャーナリスト協会のサイード・アブドルハミド・アフマディ会長は、このように語っている。
「我々にとってW杯は6度目の挑戦になる。ロシアでの成績を上回り、決勝トーナメントへ進出することを目標としている。代表チームにはトッププレーヤーが数名いるが、サルダル・アズムンとメフディ・タレミは特筆すべき選手だ」
アフマディ会長は、レヴァークーゼンでプレーする“イランのメッシ”ことアズムンおよびポルトFWタレミのほか、国内で活躍する24歳DFにも言及。カタールW杯でのブレイクに期待を寄せた。
「サプライズ候補には、エステグラルのDFアボルファズル・ジャラリを挙げておきたい。1998年生まれの若手で、正確で規律の取れたプレーを見せる。今大会で本当に良いパフォーマンスを披露できるかもしれない」
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ポルトガル（H組）
37歳を迎えてもなお、常に存在感を示すクリスティアーノ・ロナウド。所属先のマンチェスター・ユナイテッドでは孤立状態だが、キャリア通算117ゴールを誇るポルトガル代表において、チームの主柱であることに変わりはない。
ポルトガルメディア『CMTV』でコメンテーターを務めるマヌエル・ケイロス氏は、H組でガーナやウルグアイ、韓国と対戦する自国についてこのように語っている。
「すべてがC・ロナウド中心に回っている。ただ、直近の結果が素晴らしいものではなかったこともあり、ポルトガル国民は、代表チームが好成績を収めるとは考えておらず、期待も大きくない。とはいえ、グループステージ敗退となれば、ポルトガルにとって重大な敗北だ」
ケイロス氏は、プレミアリーグのクラブから熱視線を浴びるベンフィカの19歳の逸材DFアントニオ・シルヴァに注目している。
「シルヴァにとってA代表での初めての大会になる。今シーズン、好調のベンフィカでレギュラーとしてプレーしている選手だ。もうすぐ40歳になるペペも招集されているが、1カ月前からほとんどプレーしていない。シルヴァのことは、すでにヨーロッパの強豪クラブが動向を追っている。W杯でプレーすれば、面白いサプライズになるかもしれない」
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セネガル（A組）
アリウ・シセ監督率いるアフリカ王者のセネガル。今大会に出場するアフリカ勢の中でグループステージの突破が最も有力であると見られている。南アフリカメディア『SuperSport』の解説者マーク・グリーソン氏は、A組でオランダやカタール、エクアドルと対戦するアフリカ王者について語った。
「4年前のロシアW杯では、アフリカ勢がグループステージで全滅し、1970年以来、最悪の結果となった。セネガルは今年1月にアフリカ・ネーションズカップを制したが、決勝ではエジプトをPK戦で下すなど運の要素もあったと言える。それでもセネガルは、ベスト16進出が期待できる、より安定したチームだと考えている」
カタールW杯では、バイエルン・ミュンヘンのFWサディオ・マネの動向がカギを握る。「先週、ケガを負ったが、監督は、マネの欠場が初戦のオランダ戦のみとなり、カタール戦およびエクアドル戦で起用できることを期待して招集を決めた。マネはシセのチームの中心選手であり、象徴だ」とグリーソン氏は説明する。
また守備の要である元ナポリのDFカリドゥ・クリバリや、サプライズ候補のイスマイラ・サールにも注目している。
「今夏にチェルシーへ移籍したクリバリは、イタリアではよく知られているだろう。おそらく主将の彼は、セネガル代表の選手たちが頼りとするべき岩となるだろう。ワトフォードのイスマイラ・サールは、サプライズになるかもしれない。アフリカ杯で最も輝いた才能の1人であり、カタールW杯でも注目すべき選手と言えるだろう」
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スペイン（E組）
E組において、森保一監督率いる日本代表のほか、ドイツやコスタリカと対戦するスペインもダークホースの一角となる。スペイン紙『Marca』の特派員フアン・イグナシオ・ガルシア・オチョア氏は、バルセロナで活躍する19歳のスターの重要性を語った。
「カタールW杯において頼れる選手がいるとしたら、ペドリだろう。彼はスペイン代表の中心選手であり、直近のEUROでの活躍後はあらゆるスポットライトが彼に当てられている。まだ19歳だが、大きく成熟してカタールの大会へ臨むことになる」
さらにスペイン人記者は、ルイス・エンリケのチームのジョーカーとして、20歳のFWニコ・ウィリアムズに期待を寄せつつ、無敵艦隊にベスト8以上の結果を求めている。
「アトレティック・クルブのFWは、大胆なプレーで終盤に試合をひっくり返すことができる。ニコの15分間のプレーは、スペインにとって決定的となり得るだろう。スペインの目標は最低でもベスト8で、そこから先は夢だ。現在のスペインには、ワールドクラスの名だたるクラッキがいない。それでもどんな相手にとっても攻略が非常に難しいスタイルを持っているチームと言えるだろう」
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カタール（A組）
最後に『ダゾーン・イタリア』が穴馬候補に挙げるのは、秋冬開催の異例のW杯をホストするカタール。スペイン人指揮官のフェリックス・サンチェス・バスは、実に13名ものメンバーを自国リーグの強豪アル・サッド1チームから招集しており、チーム内の融合を重視し、A組でオランダやセネガル、エクアドルとの対戦へ挑むことになる。
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文・マリア・ピア・ベルトラン／ダゾーン・イタリア記者＆フィールドプロデューサー