開催国のカタールがエクアドルに0-2と敗れ、W杯史上初めてとなるホスト国の黒星スタートで幕を切ったW杯カタール2022。ロベルト・マンチーニ率いるイタリアが出場権を逃した中、イタリア人として初めてダニエレ・オルサート主審がW杯開幕戦のジャッジを担当し、まずまずの試合裁きを行った。だが、イタリア紙『Corriere dello Sport』は、「オルサートがW杯においてPKでアドバンテージを与え、ローマのファンが激怒したワケ」との見出しを付け、イタリア人主審にイタリア国内から批判が向けられたことを報じた。
問題とされたのは、エクアドルの先制点につながるPK判定のシーン。エリア内でエクアドルのエネル・バレンシアが倒されると、オルサート主審はアドバンテージを取ってプレーの展開を見守り、カタールDFがボールをクリアした後でPKを指示した。
イタリア人主審は、ルール通りに「良い判断」をしたはずだが、「ローマファンはこれを快く思わなかった」という。なぜならオルサート主審は、昨年10月に行われたユヴェントス対ローマにおいて、同様のケースでローマのアドバンテージを認めなかったためだ。
アリアンツスタジアムで行われた一戦では、エリア内でタミー・エイブラハムが倒された後、ヘンリク・ムヒタリアンのシュートのこぼれ球を拾ってゴールネットを揺らした。だが、主審はすぐさまイギリス人FWに対するファウルを取ってPKを指示。ゴールは認められず、ジョルダン・ヴェレトゥが蹴ったPKはユーヴェGKヴォイチェフ・シュチェスニーに阻まれたため、最終的にローマは0-1で敗れた。
この時、オルサート主審は「PKのシーンではアドバンテージを認めない。PKを失敗したことを私のせいにするのか?」などと反論していたが、イタリア紙は当時を振り返り「ローマとファンは正しかった」と指摘した。