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FIFAワールドカップ 2022

【コラム】3年10カ月ぶりの代表戦ゴールは、値千金の同点弾…ドイツ戦で自信を手にした堂安律は真のエースとなれるか | サッカー日本代表

【コラム】3年10カ月ぶりの代表戦ゴールは、値千金の同点弾…ドイツ戦で自信を手にした堂安律は真のエースとなれるか | サッカー日本代表DAZN
【サッカー日本代表ニュース】FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022、グループステージ初戦のドイツ代表戦で苦しむチームを救ったのは、途中出場のMF堂安律だった。長らく代表ではゴールから遠ざかっていたが、積み上げてきたトレーニングの成果をこの大一番で結果につなげてみせた。レフティはたしかな自信を胸に、コスタリカ代表との第2戦に向かっていく。
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0-1で迎えたハーフタイムに、森保一監督はフォーメーションを4-2-3-1から3-4-2-1へと変更する決断を下す。これでマークの噛み合わせがはっきりとした日本代表は、後半になると前半の不出来が嘘のようにドイツ代表を押し込んでいく。

58分にはFW伊東純也のクロスに途中出場のFW浅野拓磨が頭で合わせたが、相手DFに阻まれた。61分、67分、68分にも立て続けに浅野がフィニッシュへと持ち込んだが、ゴールを割ることができない。

間違いなくゴールは近づいてきている。あと一押し――。そんな状況で71分、切り札として送り込まれたのがMF堂安律だった。

堂安が入ったのは3-4-2-1のシャドー。相手センターバックのDFニコ・シュロッターベックへと積極的にプレスを仕掛け、チームに推進力と勢いをもたらしていく。

そして75分、待望の瞬間が訪れる。左サイドからカットインしたMF三笘薫がスルーパスを繰り出すと、FW南野拓実がシュートに持ち込む。これを相手GKマヌエル・ノイアーが弾くと、ボールが堂安のもとにこぼれた。

「ごっつぁんです!って(笑)。何も考えていないです。ありがとう!って感じで」

その瞬間を、堂安は笑みをこぼして振り返る。堂安にとって代表戦でのゴールは19年1月のアジアカップ以来、実に3年10カ月ぶり。苦しんできたであろうことは、こんな言葉から窺えた。

「長らく代表戦のゴールから遠ざかっていましたし、こぼれ球がなかなか転がってこない3~4年間だったので、今日こうやって決めることができて、報われたとは思わないですけど、トレーニングを積んできて良かったと思います」

さらに、堂安は力強く、こう続けた。

「あの局面でテンションの上がらないウインガーは、ウインガーのメンタルではない。0-1の状況で、ちょっとずつこっちに流れが来ていて、俺がヒーローになると思ってピッチに入りましたし、そのイメージトレーニングをこの4、5日間ずっとしながらホテルで過ごしていたので、そのとおりになって良かったです」

堂安は食事会場の席でチームメイトに「途中から出て俺が点を決めますよ」と宣言していたという。実際、メディアに対しても「根拠のない自信ではありますけど、点を取れると信じています」と話していた。

思い出すのは本田圭佑である。かつて本田も「頭の中で徹底的に、何百回とシミュレーションをしている。だから、どんな状況になっても想定内」と語っていた。そして10年南アフリカ大会の初戦だったカメルーン代表戦の前夜、食事の席で「俺、明日点を取る気がする」とチームメイトに話していたのだ。その境地、その領域に堂安も近づいているのかもしれない。

堂安が見せた進化は、こうした勝負強さ、決定力だけではない。

同点ゴールから8分後、浅野のゴールで逆転すると、日本は5-4-1の守備ブロックを組んだ。中盤4枚の右に入った堂安は、ドイツ代表の攻撃のキーマンである左サイドバックのDFダヴィド・ラウムに激しいプレスを掛け続ける。この守備力、献身さこそ欧州でプレーするようになって身につけた武器だった。

「リードした後、拓磨くんはきつかったでしょうけど、できるだけセンターバックに頑張って行ってもらって、僕はラウムとのマッチアップで頑張ることを意識しました。ゾーン状態に入っていて、どこに来ても止める自信はありました。ラウムの特徴はブンデスリーガでやっていて分かっていた。特に問題なくて、やられた感じはしなかったです」

以前、森保監督は「ドイツ戦では、W杯初戦のプレッシャーや相手との力関係で、おそらく想像以上に大きなエネルギーを使うことになると思います。中3日では心身ともに回復できないくらいの戦いをしなければ、勝つことは難しい。そう考えると、1試合ずつチームを入れ替えながら戦っていけるような準備をしたい」と語っていたため、27日のコスタリカ代表との第2戦では、ターンオーバーを行うことが予想される。

だとすると、アディショナルタイムを含めて25分ほどしかプレーしていない堂安が、コスタリカ代表との一戦でスタメンに選ばれてもおかしくない。

スタートから出場して日本代表を勝利に導けるかどうか。チームの真のエースとなれるかどうか。コスタリカ代表戦は、堂安の真価が問われるゲームとなる。

文・飯尾篤史

1975年生まれ。東京都出身。明治大学を卒業後、週刊サッカーダイジェストを経て2012年からフリーランスに。10年、14年、18年W杯、16年リオ五輪などを現地で取材。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』、『残心 中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』などがある。

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