ユヴェントスは29日、アンドレア・アニェッリ会長やパベル・ネドベド副会長を含む役員全員の一斉辞任をクラブ公式サイトで発表した。
ユヴェントスは、クラブ公式サイトで「年次財務諸表(案)および連結財務諸表(案)|取締役会の刷新」と題した声明を公開。そのなかで、アニェッリ会長やネドヴェド副会長を含む役員全員が一斉に辞任することを発表した。
ユヴェントスには虚偽会計や不正なキャピタルゲインの疑いがかけられており、トリノ検察から調査を受けていた。28日には、アニェッリ会長のもとで取締役会が開催され、諸問題について議論・評価を行った模様。声明では、現役員の辞任について以下のように説明されている。
「現取締役会のメンバーは、懸案の法的および技術的な会計問題の重要性と関連性を考慮し、これらの問題に対処するためにクラブの新しい取締役会任命の推奨が最善の利益になると判断しました。このため、アニェッリ会長の提案に基づき、取締役会の刷新に関する決定をできるだけ早く株主総会に付議できるよう、出席した役員全員が辞任することを表明しました」
現在46歳のアニェッリ会長は、トリノ出身のイタリアの実業家。2010年以来、アニェッリ家が所有するユヴェントスの会長を務めていた。セリエAで前人未到の9連覇を達成するなど、“絶対王者”として君臨したユヴェントスを支えた実績が高く評価される一方で、2021年4月に表明された「ヨーロッパ・スーパーリーグ構想」の中心的人物とされ、各方面から批判を集めた。
現在50歳のネドベド副会長は、現役時代に母国チェコのスパルタ・プラハで頭角を現すと、ラツィオやユヴェントスで活躍。2003年にはバロンドールを受賞するなど、世界的な名選手として名を馳せた。2009年に現役を引退すると、その後はユヴェントスでスポーツディレクターを務め、2015年には同クラブの副会長に選ばれた。