7日、FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022のラウンド16・モロッコ代表vsスペイン代表戦が行われ、スペイン代表がモロッコ代表にPK戦(0-3)で敗れた。
スペイン代表は、グループステージの戦い方と同様にボールを保持してモロッコ代表を押し込んでいく。スコアレスのまま延長戦に突入すると、スペイン代表が試合を支配する構図はより鮮明に。だが、なかなかモロッコ代表の守備を崩しきるには至らない。結局、延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられる。PK戦では、後攻のスペイン代表が1人目のMFパブロ・サラビア、2人目のMFカルロス・ソレール、3人目のMFセルヒオ・ブスケツと立て続けにキックを成功できず。まさかの全員失敗で、モロッコ代表にベスト8進出を譲ることになった。
スペイン紙『マルカ』は6日、試合後にスペイン代表のルイス・エンリケ監督が語った内容を紹介。同指揮官は自身の去就について聞かれると「今はそんなことはどうでもいい。(去就が)自分次第なのであれば留まりたいが、自分にとっても、そしてチームにとってもベストな決断をしなければならない」と明言を避けた。
スペイン代表のPK戦と言えば、L・エンリケ監督が選手たちに課した1000本のPK練習が話題となっていた。L・エンリケ監督は、昨年に開催されたUEFA EURO 2020の準決勝・イタリア代表戦をPK戦(2-4)で落とすという苦い経験から、PKを反復練習することの重要性を強調。イギリスメディア『BBC』は6日に「PKは緊張の瞬間であり、度胸を見せる時でもある。何千回も練習していれば、イメージしたとおりにPKを決められるということだ」というL・エンリケ監督のコメントを伝えていた。
しかし、モロッコ代表戦ではキッカー全員がPKを失敗。万全の準備をしてもなお、好結果が伴うとは限らないPK戦の“怖さ”が証明される形となった。
さらに、データサイト『Opta』が6日に伝えたところによると、スペイン代表はW杯で5回PK戦を経験しており、そのうち4回で敗退の憂き目にあっているという(1986年メキシコ大会・準々決勝のベルギー代表戦、2002年日韓大会・準々決勝の韓国代表戦、2018年ロシア大会・ラウンド16のロシア代表戦、今回のモロッコ代表戦)。なお、W杯のPK戦で4回敗れるのは、大会最多記録となる。
日本代表も、6日のラウンド16・クロアチア代表戦でPK戦(1-3)の末に敗れたが、スペイン代表にとってPK戦の呪縛はより深刻なようだ。