スペイン紙『マルカ』は12日、10日に行われたFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022の準々決勝・オランダ代表vsアルゼンチン代表戦で主審を務めたスペイン人審判のアントニオ・マテウ・ラオス氏が、今大会の残り試合で笛を吹く可能性がなくなったことを伝えた。
オランダ代表vsアルゼンチン代表戦で主審を務めたラオス氏は、同試合でチームスタッフを含めて計18枚ものイエローカードを提示。選手同士が入り乱れてエキサイトした後半終盤の場面では、状況をコントロールできない様子も見て取れた。
『マルカ』は「ラオス氏が、今大会でこれ以上試合を裁くことはない。オランダvsアルゼンチン戦が、今大会で彼が笛を吹いた最後の試合となる」と報道。同氏について「多くの論争を巻き起こした彼に、これ以上の試合を割り当てることが困難となった」と言及した。
一方で同紙は、国際サッカー連盟(FIFA)がラオス氏のレフェリングについて「技術的判断(PKやファウルなど)などが優れており、レッドカードも含めて、さらにカードを提示しても良かった」と評価していることも伝えている。さらに、かつて名物審判として知られ、現在はFIFA審判委員会会長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏が、ラオス氏を今大会の決勝を裁く主審の候補に挙げていたことも報じた。
試合後には、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシが「制裁を受けるから、審判の話はしたくない」としながらも「FIFAは大会のレベルにない審判を起用するべきではないと思う」と発言。大舞台において悪い意味で“主役”となってしまったラオス氏だが、『マルカ』はコッリーナ氏が同氏を決勝の主審候補に挙げていたことについて触れ「確実ではなかったが、選択肢の一つにはなっていた……。アルゼンチン、とりわけメッシの批判があり、その可能性はなくなったが」と伝えている。