FIFAワールドカップ（W杯）カタール2022の決勝に進出するのは、史上3カ国目の大会連覇へ向けて邁進するフランス代表か、それともアフリカ勢初の準決勝進出を果たして旋風を巻き起こしているモロッコ代表か――？
互いに慎重な試合の入りを見せる可能性もあったなかで、前半立ち上がりの5分にスコアが動く。フランス代表FWキリアン・エムバペのシュートがブロックされると、詰めていたDFテオ・エルナンデスがバウンドボールに上手く合わせてゴールネットを揺らした。いきなり失点を喫したモロッコ代表は、その後システムを4－3－3に変更して巻き返しをはかる。だが、なかなかゴールを奪えない展開が続くと、後半も終盤に差し掛かった79分にはFWランダル・コロ・ムアニの追加点でフランス代表がリードを広げる。そのまま試合は2－0で終了。念願の大会連覇を視野に捉えたフランス代表が決勝に進出した。
DAZNの特別番組『FIFAワールドカップタイム』では、試合のスタッツに注目。ここまで堅牢な守備を見せてきたモロッコ代表のボールポゼッション率が「61.2%」だったのに対し、フランス代表は「38.8%」という意外な結果となった。一方で、デュエル勝率はフランス代表が「58％」と、「42％」のモロッコ代表を上回っている。
また、同番組では試合のターニングポイントを解説。解説の元日本代表FW佐藤寿人氏は「空間を見極める眼」をポイントに挙げ、フランス代表が先制した場面における、FWアントワーヌ・グリーズマンの動き方を説明した。今大会のグリーズマンに関しては、同番組にゲスト出演した宇佐美貴史氏も「良い意味でこんな選手やったかな？と思いました」と評価。チームの攻撃を司る31歳FWを「一番代えが効かない選手」と形容した。
さらに、スポーツライターのベン・メイブリー氏は、下馬評を覆す大健闘を見せたモロッコ代表について言及。サッカーが好きなことでも知られるモロッコの現国王・ムハンマド6世がアカデミー施設を設立するなど、国を挙げて代表チームを強化してきたことが好結果に繋がったという見解を述べた。
その他、同番組ではクロアチア代表とモロッコ代表が相対する3位決定戦、アルゼンチン代表とフランス代表が激突する決勝にも話が展開していく。果たして、約1カ月間にわたって世界中を熱狂させたW杯の結末はどのようなものになるだろうか。