FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022準決勝では、リオネル・メッシを擁するアルゼンチンが前回大会の準優勝国クロアチアに3-0で勝利を収めた一方、2連覇を目指すフランスがダークホースのモロッコを2-0で退けて決勝へと勝ち進んだ。
日本時間の19日に運命の決勝戦が控える中、イタリア人指揮官のアリゴ・サッキ氏が、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』のインタビューで語った。まずは準決勝を振り返り、アルゼンチンに敗れたルカ・モドリッチらクロアチア勢や、アフリカ勢初のベスト4入りを果たしたモロッコの健闘を称えた。
「準決勝では、みんなが勝つと予想していた2チームが勝ち上がったと言えるだろう。アルゼンチンが勝利を収めた背景には、おそらくクロアチアが日本戦、ブラジル戦と立て続けに延長戦を戦ったために、疲労していた点もあるだろう」
「クロアチアは、勝ち残るために完璧な試合が求められていたが、先制点を奪われた後で競争力を保つことができなくなり、ブラジル戦のような偉業を繰り返すことができなかった。最高とは言えないまでも、良い試合をしていたよ」
「モロッコは準決勝においても、サプライズだった。『カテナチオしかしない』と言われていたが、フランス戦では、カテナチオではなく、ポゼッションサッカーをして見せた。だがポゼッションをしたことで、試合終盤に力を失ってしまったとも言える。いずれにせよ、モロッコは大きな成長を見せ、他のチームにとっても、時間をかけて進化し、成長し、競争力を高めることができるという希望になった」
(C)Getty Images
最後に元ミランの名将は、1986年メキシコW杯以来となる悲願の優勝を目指すアルゼンチンと、前回大会王者のフランスによる決勝について、自身の願望を明かした。
「私は、メッシが優勝してくれたらうれしい。偉大なカンピオーネ(王者)の戴冠となるからね。(キリアン)エムバペはすでに優勝経験がある上、メッシが4年後に競争力を保っていることは難しい。いずれにせよ、戦術的な試合にならないことを願っているよ。魅力的なサッカーではなく、退屈なものになってしまえば、それは『サッカーの負け』を意味するからね」