およそ1カ月にわたって熱戦が繰り広げられたFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022も、19日に行われた決勝・アルゼンチン代表vsフランス代表戦の終了をもって閉幕した。
DAZNの特別番組『FIFAワールドカップジャッジリプレイ』の#3 前編では、W杯で話題となった判定を検証。4試合の中から厳選した場面について、徹底討論した。
まず、同番組では今大会全体をとおしたジャッジについて触れていった。元国際審判員の家本政明氏は「面白かったな、不思議だなと思うことがいっぱいありましたね」とコメント。「『グループステージで厳密に見ていたアディショナルタイムを、決勝トーナメントではちょっといつもの感じに戻したな』とか、『警告の数に比べると退場があまりなかったな』とか」とポイントを挙げた。
同番組がピックアップした4試合の中から最初に取り上げたのは、何と言ってもアルゼンチン代表が36年ぶり3度目となるW杯制覇を達成した決勝だった。前半21分、左サイドでボールを受けたアルゼンチン代表FWアンヘル・ディ・マリアがペナルティエリア内にカットインしたところを、フランス代表FWウスマン・デンベレが後ろから倒してPKとなった場面だ。平畠啓史氏は「先にデンベレがかわされて、ディ・マリアの体が前に入っていた。あの体勢はPKになるなぁと思いました」と、シモン・マルチニアク主審の判定を支持。また、平畠氏は「デンベレのファウルはとても微妙な感じ。ディ・マリアの転び方が上手かったようにも思えます」というTwitterユーザーの声も紹介した。
中盤でプレーする遠藤保仁は、同じような場面で中盤から守備のカバーに入ることも多い。サイドの選手であるデンベレが拙い判断でPKを献上した点については「『黙っておけ』という感じですね」と語ってスタジオの笑いを誘い、「100%PKだと思います」と断言した。
一方で、家本氏は「“サポーター・家本”は(PKを)取りたくないけど、“レフェリー・家本”だとPKは致し方ない」と揺れる心境を吐露。「間違いなくデンベレの右足はチャレンジしている。そもそも最初に飛び込んだのが不用意ですし、その後に慌てて寄せていって、結果的にコンタクトもしている」とし、「主審のポジショニングが素晴らしい」と、最適な立ち位置で接触の瞬間を見ていたマルチニアク主審を称えた。
その他にも、同番組では『オランダ代表vsアルゼンチン代表戦 | 88分……イエローカードの提示だけでOK?』『アルゼンチン代表vsクロアチア代表戦 | 32分……ファウルかノーファウルか』『フランス代表vsモロッコ代表戦 | 27分……意見書提出は妥当か』といった観点をチェック。議論の熱量はW杯終了後も覚めることがなく、前編はオランダ代表vsアルゼンチン代表戦のあの“乱闘シーン”の解説までとなった。