見事な動き出しが生んだゴールだった。
相手を押し込みながらもなかなかゴールが奪えなかった中、山根は人知れず右サイドからの攻略を狙っていた。「あのときは対面が大森(晃太郎)選手でしたけど、彼は攻撃に特徴のある選手。そういう時は相手の急所に入っていくことをいつも考えている」。
狙いがハマったのは33分だった。谷口彰悟と目が合うと、相手の背後にランニング。「彰悟さんがいいボールを出してくれた」と振り返った場面は、素晴らしいボールが配給され、最後は前に出てきたGKを嘲笑うかのようなループ気味のシュートでゴールを陥れた。
最終的に川崎Fはゲーム終盤に追い付かれ、1-1のドロー決着に終わった。リードを奪い、追加点のチャンスをいくつか作っていたことを考えれば、悔しい結果だと言える。山根も「ボールを握ることはできていたが、1-0なのに握れていることで満足しているところがあったかもしれない」と語り、後半のゴールへ向かう姿勢について課題を挙げていた。
一方で、引き分けの質が変わってきたことにはポジティブな見解を抱いている。
「握りたくても握れなかった時と比べると少しは前進しているかなと。そんなことを言って喜んではいけないけど、やり続けられることは続けていかないといけない。今日も紙一重のところはあったし、あとは精度のところだと思う。今までに比べれば、ゴール前に入っていく回数も増えているし、ネガティブなことだけではなく、良かったところに目を向けて、足りないところをみんなで修正していきたい。どうすればいいのかわからない状態ではない。ゴールのところはこだわってやっていきたい」
前半戦の川崎Fは勝点こそ積み上げていたが、相手を圧倒して勝利した試合はあまりなく、どちらかというと勝負強いところが前面に出ていたチームだった。だが、目指すべき場所は違う。もっと相手を圧倒し、誰もが見て楽しめるようなサッカーを展開した上で、勝利を積み重ねていきたいという思いを持っている。
そういう意味では、前半戦のように勝っても引き分けても内容面で大手を振って喜べなかったところから、徐々に自分たちが披露しているサッカーに自信を掴み始めている。この引き分けはもちろん痛い。ただ、このサッカーを構築していければ、もっと点を取っていけるという手応えを得たのも間違いない。
代表で様々なことを学び、チームでさらなる進化を目指す山根。「『背中で見せる』ではないけど、細かいところをやり続けていかないといけない」と前を向いた男は、ここからさらなるレベルアップを見据えるチームをプレーで牽引していく。
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