浦和レッズは3日前の準々決勝から先発を入れ替えることなく、たくさんのサポーターとともに韓国の全北現代を赤一色の“ホーム・埼スタ”に迎えた。
ゴール裏に優勝トロフィーのコレオグラフィーが掲げられ、最高の雰囲気の中でピッチに登場した浦和は、開始3分でファーストシュートを打つ。酒井宏樹とダヴィド・モーベルグのコンビで右サイドを打開。これはDFのブロックにあってしまったが、右45度の角度からモーベルグが左足で相手ゴールを脅かした。
8分には全北現代もすぐに反撃に出る。右サイドからのクロスに勢いよく飛び込んで来たグスタボとGK西川周作が激突。こぼれたボールをすぐに西川がキャッチし難を逃れ、首を痛めた様子を見せたグスタボも無事に立ち上がり、ゲームは再開された。
スコアが動いたのはその直後の11分だった。右サイドで得たスローインをモーベルグが素早くリスタート。モーベルグと伊藤のパス交換から酒井が抜け出しクロスを入れると、ニアサイドで松尾佑介が押し込み、ネットを揺らした。
この1点でゲームは少し落ち付くと思われたが、むしろテンポアップ。早く追い付きたい全北現代がボールを握り動かす時間を増やしながらも、浦和は隙あればカウンターで応酬。手に汗握る時間が続いた。
その中、浦和にチャンスが生まれたのは31分のこと。引いて受けた小泉佳穂から縦パスを引き出した伊藤敦樹がターンして右足を強振。強烈なシュートは枠を捉えたが、GKの守備範囲であった。
それでも、やや展開が落ち着いてきたかに思われた38分、浦和は前半最大のピンチを迎える。
自陣でキム・ジンスが奪ってところから全北現代がカウンターに出ると、ハーフライン付近から途中出場のマドウ・バロウがドリブルで運び左サイドを突破。ゴール前でマイナスのパスを受けたソン・ミンギュが深い切り返しからシュートを許した。しかし、必死に対応したアレクサンダー・ショルツが際で防ぎ、シュートが枠を捉えることはできなかった。
後半は、キム・ボギョンを投入してきた全北現代がポゼッション率を高め、浦和は押し込まれる時間が長くなった。
その流れの中で52分にはPKを献上。エリア内で大畑歩夢がソン・ミンギュを倒してしまうと、VARが介入しオンフィールドレビューも行うが、結局、判定は覆ることなく、ペク・スンホに蹴り込まれ同点に追い付かれた。
スコアが振り出しに戻ってからは日韓戦対決に相応しく、こう着した展開に突入する。次の1点が非常に大きな意味を持つ中で互いにじっくりと攻撃の糸口を探し合うような流れになる。
79分には浦和が3枚替えを行い、明本考浩が左SBに入り、江坂任とキャスパー・ユンカーのコンビが前線で縦関係を築いた。
その後も一進一退の攻防が続く中、アディショナルタイムには浦和が立て続けに決定機を迎える。しかし、ユンカーのシュートはGKのセーブとポストに嫌われ、延長戦にもつれこんだ。
延長戦に入っても緊張の糸がピンと張りつめたような雰囲気のままゲームは推移。お互いに2点目を狙いにいきながらも失点だけは許したくない思いが伝わってくる。
まさに死闘となった中、スコアが動かしたのはノックアウトステージに入り、3試合連続で延長戦を戦う全北現代だった。116分、左サイドでCKをショートコーナーで始めると、イ・スンギの低いクロスにニアサイドで合わせたのはハン・ギョウォンがスライディングで流し込み、ついにリードを奪った。
しかし、これでゲームは終わらない。120分、オーバーラップしてきた酒井のクロスから最後はゴール前のこぼれ球に反応したユンカーが利き足ではない右足で蹴り込み、浦和が土壇場で追い付いた。
決勝進出のチームを決めるのを託されたPK戦、先行の全北現代が一番手のキッカー、キム・ボギョンが失敗したのに対し、浦和の一番手、ショルツは冷静に成功。その後、二番手のユンカー、四番手の江坂任が冷静にネット揺らし、決勝進出が決まった瞬間、2本を止め、1本を外させたGK西川がド派手なガッツポーズ。全員で歓喜の輪を作り、ゴール裏に大挙したサポーターと喜びを分かち合った。
■ 8月25日開催 結果
・ACL準決勝
全北現代 2-2(PK1-3) 浦和レッズ
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