サプライズは瀬古のみ。大枠は見えている
(C)Getty Images
カタールワールドカップまで残り2ヶ月。本大会にメンバー入りする可能性のある選手が、ほぼほぼ出揃ったと言っていいだろう。
15日、19日から開催されるドイツ遠征に参加する30人のメンバーが発表された。大きなサプライズは久々の招集となった瀬古歩夢程度で、E-1選手権から町野修斗、相馬勇紀、谷晃生の3人が生き残った以外では、ここまで選ばれてきた選手たちが多く顔を揃えることになった。
メンバー構成に多少の変化があったのは怪我人が出たことが大きい。今回の遠征直前に板倉滉と浅野拓磨が負傷。大迫勇也も間に合わなかった。この3人は怪我さえなければW杯でメンバー入りする可能性が高く、彼らプラス今回の選ばれた30人から本大会の26人が選ばれると見ていいだろう。
もちろん、ここからクラブで強烈なインパクトを残す選手が現れる可能性もある。森保一監督も「まだまだ今回の30人以外にも最後にパフォーマンスを発揮してくれて、W杯で日本代表として戦ってくれる選手はいると思っています。今回の活動を中心にということは間違いないですが、この活動中心に選考するプラス可能性のある選手はリサーチしています」と話している。
ただ、一度も選ばれていない選手をギリギリの段階で組み込むことは考えづらい。例えば、6月の遠征に選ばれた菅原由勢のような選手が入ってくる可能性はあるが、チームのやるべきことなどの共有ができていない選手を急に呼ぶことは無いはずだ。
ここで勝てずして、本大会では勝てず
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現段階で大まかなメンバーが決まっていることは想定できるため、今回の遠征は残り数枠のところでポジション争いが起こる以外は、サバイバルよりもチームの成熟に対してより目が向けられることになる。ここまでは4-3-3のシステムを基本的には採用してきたが、W杯を想定した新たなオプションを試すことも考えられる。クラブで代表とは異なるポジションでプレーしている選手は、今までとは違った起用のされ方をするかもしれない。そういったことを考えても、今回の遠征は興味深いものになるのではないかと想像している。
本大会で対戦するドイツの本拠地で試合を開催することもあり、直前に全ての手の内をひけらかすことはないと思うが、それ以上にW杯に出場するアメリカとエクアドルをしっかりと打ち倒すことで自信を得る必要がある。6月のシリーズではコンディション不足の相手に勝利はしたが、強敵のブラジル、そしてワールドカップに出場するチュニジアに敗戦。日本で戦える大きなアドバンテージがある中で勝ち越すことができなかった。
今回、相手も欧州でプレーする選手が多く、お互いにコンディションの良い状態で相対することができる。そういった状況下でアメリカやエクアドルに勝利することができなければ、スペインやドイツといった強敵を倒すことは難しい。そのため、チームとして目指すサッカーに手応えを得るような2試合にできるかが大きな注目点となる。
本大会まで残り時間が少なくなってきたなか、この遠征を有意義なものとできるか。楽しみな遠征が幕を開ける。
文・林遼平
埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。
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