今夏の移籍市場でMFフレンキー・デ・ヨングの売却に動いているとされるバルセロナだが、なぜ同選手を手放さなくてはならないのだろうか。スペイン『マルカ』はその理由を、今後クラブが選手に支払うべき膨大な金額にあると説いている。
『マルカ』は先にバルセロナがマンチェスター・ユナイテッドとのF・デ・ヨング売却交渉に臨みつつ、その一方で選手が残留を望む場合には大幅な減俸受け入れを求める方針と報道。続けて、バルセロナがF・デ・ヨングに今後支払うべき金額の詳細も明かしている。
曰く、バルセロナはF・デ・ヨングと契約を結ぶ今後4年間、年俸及び忠誠ボーナスによってグロスで8800万ユーロ(約123億円)を支払う必要がある。また出来高で最大800万ユーロ(1シーズン200万ユーロ)、60%以上の試合出場で最大1280万ユーロ(1シーズン320万ユーロ)を支払う契約もあり、それらも合わせれば支払う額は1億938万ユーロ(約152億円)に上る。
一見すればあまりに高待遇の契約だが、『マルカ』はそうなった要因を3つ挙げる。まず一つ目の要因は、2019年にF・デ・ヨングをアヤックスから獲得したジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長のクラブ理事会が、同選手と1400万ユーロという高年俸の契約を結んだこと。二つ目は、新型コロナのパンデミックによってその支払いに遅延が生じたこと。そして三つ目は、忠誠ボーナスが合計1580万ユーロまで膨れ上がっていること。支払いの遅延分と忠誠ボーナスで、2022-23シーズンにバルセロナがF・デ・ヨングに支払う額は一気に跳ね上がることになる。
バルセロナが昨季F・デ・ヨングに支払った年俸額は900万ユーロだったが、それが今季には2倍となって、さらにボーナスとして約300万ユーロを加えて合計2100万ユーロを支払うことに。2023-24シーズンに支払う額はさらに増えて、2770万ユーロに上ることになる。もちろん、そこに出来高や60%の試合出場の額も付け加えなくてはいけない。
給与未払い分が発生した経緯について、F・デ・ヨングの加入シーズンにパンデミックが発生し、その時点で契約通りにはいかなくなっていた。同シーズン、クラブは全選手の年俸を12%削減して、F・デ・ヨングは年俸1400万ユーロのところ1232万ユーロを受け取った。そして翌シーズンもパンデミックは続き、バルセロナは年俸の一部支払いを遅らせる代わりにF・デ・ヨングとの契約を2年延長。オランダ代表MFの受け取る額は、2020-21シーズンが1400万ユーロのところ300万ユーロ、2021-22シーズンが900万ユーロとなり、1600万ユーロ分が未払いとなった。このためにF・デ・ヨングは今後4年間、年俸として1400万ユーロのところ1800万ユーロを受け取ることになり、契約の最終シーズンにはさらに100万ユーロを追加で手にできる。
ジョアン・ラポルタ会長率いるバルセロナ現理事会は、F・デ・ヨングに支払うべき額がクラブの新たな給与体系から大きく逸脱しているとして、選手売却に動いているとのことだ。
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